尿路結石の成分とX線透過性|第107回医師国家試験I16

第107回医師国家試験 I16(2013年)

正答:d

問題

右尿管結石症の腹部単純エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。

この結石の成分として最も考えられるのはどれか。

a.尿酸

b.シスチン

c.キサンチン

d.シュウ酸カルシウム

e.リン酸アンモニウム・マグネシウム

腹部単純X線写真(正面、下位胸椎〜骨盤)。右腰椎横突起外側の中位腰椎の高さに約1 cmの類円形の濃い石灰化陰影。腸管ガスと便塊が散在。
別冊No. 2 / 出典:厚生労働省・第107回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

腹部単純X線写真で、右腰椎横突起の外側(中位腰椎の高さ)に約1 cmの類円形で骨と同程度に濃い石灰化陰影があり、単純写真ではっきり写るX線不透過結石です。尿路結石の大部分はカルシウム結石で、なかでもシュウ酸カルシウムが最多(40〜80%)であり、欧州泌尿器科学会(EAU)ガイドラインでもシュウ酸カルシウム・リン酸カルシウムが「不透過」に分類されるため、最も考えられる成分はdです。尿酸・キサンチン結石はX線透過性で写らず、シスチンとリン酸アンモニウム・マグネシウムは「不透過性が弱い(poor radiopacity)」に分類され、後者は尿路感染に伴いサンゴ状結石を作ることが多く頻度も低めです。

画像の見方

腹部単純X線正面像。右側の中位腰椎の高さで腰椎横突起の外側に、辺縁明瞭な類円形・均一な高濃度陰影(約1 cm)が1個みられる。左側には同様の陰影なし。腸管内にガス・便塊が散在し、骨盤内のS状結腸にもガス像。

各選択肢の検討

a.誤り。尿酸結石は代表的なX線透過性結石で単純写真ではほとんど写らず、CTや超音波で検出します(酸性尿・高尿酸尿が背景)。

b.誤り。シスチン結石はシスチン尿症でのみ生じるまれな結石(1〜2%)で、EAUガイドラインでは不透過性が弱い結石に分類され(資料によっては透過性結石に含める)、骨と同程度の濃い陰影にはなりにくいです。

c.誤り。キサンチン結石は遺伝性キサンチン尿症やアロプリノール関連のまれな結石で、尿酸と同じプリン体由来のX線透過性結石です。

d.正しい。シュウ酸カルシウム結石は尿路結石の最多成分で、カルシウムを含み単純X線写真で明瞭な不透過陰影を示すため、本例の濃い小結石に最も合致します。

e.誤り。リン酸アンモニウム・マグネシウム(ストルバイト)結石はウレアーゼ産生菌による尿路感染に伴って生じ、腎盂を満たすサンゴ状結石を形成することが多い結石です。EAUガイドラインでは不透過性が弱い結石に分類され(資料によっては不透過結石)、頻度もシュウ酸カルシウムより低いため最も考えられる成分ではありません。

覚えるポイント

X線透過性結石=尿酸・キサンチン・2,8-DHA(・薬剤性)。シスチン・ストルバイトは不透過性が弱い。単純写真で濃く写る尿管結石はまずシュウ酸カルシウム。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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