肛門周囲膿瘍の初期治療|第107回医師国家試験I9

第107回医師国家試験 I9(2013年)

正答:c

問題

発赤、腫脹および疼痛が強い肛門周囲膿瘍でまず行うべき対応はどれか。

a.絶食

b.硬化療法

c.切開排膿

d.痔瘻根治手術

e.人工肛門造設術

正答の理由

肛門周囲膿瘍の多くは肛門陰窩(肛門腺)感染から生じ、治療の基本は速やかな切開排膿です。波動がはっきりするまで待たずに十分ドレナージし、発熱・免疫不全・糖尿病・広範な蜂窩織炎などがあれば抗菌薬を併用します。排膿後に痔瘻が形成された場合に、瘻管切開・切除などの根治手術を検討します。答えはcです。

各選択肢の検討

a.誤り。絶食は膿瘍の排膿にはならず、膿瘍腔が残る限り炎症は改善しないため、初期対応として意味がありません。

b.誤り。硬化療法(注射硬化療法)は内痔核に対する治療であり、感染性の膿瘍には適応がありません。

c.正しい。発赤・腫脹・強い疼痛を伴う肛門周囲膿瘍は、速やかな切開排膿で膿を出すことが第一の治療で、疼痛も直ちに軽減します。

d.誤り。痔瘻根治手術(瘻管切開術・瘻管切除術など)は、排膿後に瘻管が形成された場合に行う待機的手術で、急性期の膿瘍に対する最初の対応ではありません。

e.誤り。人工肛門造設術は便の流れを変える侵襲の大きい手術で、切開排膿で治療できる通常の肛門周囲膿瘍の初期対応にはなりません。

覚えるポイント

肛門周囲膿瘍は診断したら直ちに切開排膿。痔瘻化したら根治手術を検討する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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