第107回医師国家試験 H29(2013年)
正答:a
問題
70歳の女性。舌の疼痛を主訴に来院した。舌に白色病変を認める。病変部から採取した白色物質の苛性カリ〈KOH〉直接鏡検法の写真(別冊No. 8)を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
a.抗真菌薬を塗布する。
b.抗菌薬を経口投与する。
c.白色病変部の舌を部分切除する。
d.オピオイドで疼痛コントロールを行う。
e.副腎皮質ステロイド含有軟膏を塗布する。

正答の理由
舌の白色病変から採取した物質のKOH直接鏡検で、多数の円形の酵母様細胞と細長く伸びた仮性菌糸がみられ、口腔カンジダ症(鵞口瘡)と診断できます。治療はクロトリマゾールやナイスタチン、ミコナゾールなどの局所抗真菌薬です。
画像の見方
KOH直接鏡検で、小型の円形〜卵円形の酵母様細胞が集簇し、その間を細長い糸状の仮性菌糸が網目状に伸びている。Candidaの所見。
各選択肢の検討
a.正しい。KOH鏡検で酵母と仮性菌糸を認める口腔カンジダ症で、局所抗真菌薬が治療の基本です。
b.誤り。抗菌薬はカンジダに無効で、口腔内の常在細菌叢を乱してカンジダ症を悪化させる要因になります。
c.誤り。鏡検で真菌感染と診断されており、白板症や癌のような外科切除の対象ではありません。
d.誤り。疼痛の原因は真菌感染であり、原因を治療すれば改善します。オピオイドの適応はありません。
e.誤り。副腎皮質ステロイドは局所免疫を抑え、カンジダ症を増悪させるおそれがあります。
覚えるポイント
舌の白苔+KOH鏡検で酵母と仮性菌糸は口腔カンジダ症。抗真菌薬で治療し、ステロイド・抗菌薬は悪化要因。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Candidiasis (Mucocutaneous)
- MSD Manual Professional Edition: Candidiasis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。