虫垂炎の疑いと紹介|第107回医師国家試験H26

第107回医師国家試験 H26(2013年)

正答:e

問題

35歳の男性。昨日上腹部痛を訴え診療所を受診した患者が、腹痛が増悪したため再び来院した。今朝から右下腹部に痛みが移動しているという。昨日の診察では上腹部に軽度の圧痛があったが、本日は腹部の診察で右下腹部に限局した圧痛を認める。

次に行うべき対応として最も適切なのはどれか。

a.診療所で経過観察する。

b.翌日の再受診を指示する。

c.鎮痛薬を処方し帰宅させる。

d.数時間後の再受診を指示する。

e.手術可能な医療機関へ紹介する。

正答の理由

心窩部(上腹部)の痛みが数時間〜1日で右下腹部へ移動し、右下腹部に限局した圧痛を伴うのは急性虫垂炎の典型的経過です。治療は虫垂切除で、診断が臨床的に強く疑われる場合に手術を遅らせると穿孔などの合併症が増えます。手術ができない診療所では、画像検査と手術が可能な医療機関へ速やかに紹介します。

各選択肢の検討

a.誤り。診療所での経過観察は手術の機会を遅らせ、穿孔や腹膜炎のリスクを高めます。

b.誤り。腹痛が増悪しており、翌日まで待つと穿孔の危険が増します。

c.誤り。鎮痛薬の投与そのものは腹膜刺激症状を隠さず診察の妨げにならないとされますが、典型的な虫垂炎を鎮痛薬だけで帰宅させれば外科的治療が遅れ、穿孔などの合併症が増えます。

d.誤り。典型的な疼痛移動と限局圧痛がそろっており、数時間後の再受診ではなく今すぐ外科的対応につなぐべきです。

e.正しい。急性虫垂炎が強く疑われ、手術可能な医療機関への紹介が適切です。

覚えるポイント

上腹部→右下腹部への疼痛移動と右下腹部の限局圧痛は虫垂炎。手術できる施設へ速やかに紹介。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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