血液培養の感度|第107回医師国家試験H12

第107回医師国家試験 H12(2013年)

正答:a

問題

血液培養について、菌血症の診断における感度を下げるのはどれか。

a.検体を冷蔵保存する。

b.検体採取の回数を増やす。

c.抗菌薬を投与する前に採取する。

d.異なる部位から2セット採取する。

e.好気性ボトルより先に嫌気性ボトルに分注する。

正答の理由

血液中の菌量はわずかなので、血液培養の感度は採取量・セット数・抗菌薬投与前の採取・採取から培養開始までの扱いで決まります。採取後のボトルは冷蔵せず室温で扱い、できるだけ早く(目安として4時間以内に)培養装置に入れるのが原則です。培養開始前の遅延は偽陰性の主な要因とされており、冷蔵保存は感度を下げる取り扱いにあたります。なお、冷蔵が回収率に与える影響を直接比較したデータは今回確認した資料にはなく、本問は「冷蔵しない」という標準的な取り扱い原則を問うものです。

各選択肢の検討

a.正しい。採取したボトルは冷蔵せず室温で扱い、速やかに培養を開始するのが原則です。冷蔵保存して培養開始を遅らせる取り扱いは偽陰性につながり、感度を下げます。

b.誤り(感度を上げる)。1セットだけでは感度が不十分とされ、2〜3セット以上採取して培養する血液量を増やすほど検出率が上がります。

c.誤り(感度を上げる)。抗菌薬投与後は菌の発育が抑えられるため、できる限り抗菌薬投与前に採取することが感度を保つ基本です。

d.誤り(感度を上げる)。異なる部位から2セット採取すると培養血液量が増えて感度が上がり、皮膚常在菌の汚染との区別にも役立ちます。

e.誤り。分注の順序は嫌気性ボトルに空気を入れないための手技上の注意です。海外の総説は好気性ボトルを先に満たすとする一方、注射器で採血した場合は嫌気性ボトル→好気性ボトルの順に分注する手順が国内の病院の手順書で示されており、嫌気性ボトルを先にしても感度を下げる操作にはあたりません。

覚えるポイント

血液培養の感度を保つ=抗菌薬投与前に、異なる部位から2セット以上、十分な量を採り、冷蔵せず速やかに培養開始。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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