flow-volume曲線(COPD)|第107回医師国家試験H4

第107回医師国家試験 H4(2013年)

正答:a

問題

flow-volume 曲線(別冊No. 1)を別に示す。

長年の喫煙習慣と関連する閉塞性障害を示すのはどれか。

a.①

b.②

c.③

d.④

e.⑤

flow-volume曲線5本(縦軸 気流速度 l/秒 0〜10、横軸 絶対肺気量 l 8〜0)。①は7 l付近から始まり低いピーク後に下に凹んで低下、②は約4.9 lから始まりピーク約5で直線的に低下、③はピーク後約3 l/秒で平坦、④はピーク約10の大きな三角形、⑤は2.4 l付近から始まる小さく急峻な曲線
別冊No. 1 / 出典:厚生労働省・第107回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

長年の喫煙と関連する閉塞性障害はCOPD(肺気腫)です。①は絶対肺気量が約7 lと最も大きい位置(過膨張)から呼出が始まり、ピークフローが約3.5 l/秒と低く、その後の下降脚が下に凹んだ(concave)形をとっています。末梢気道閉塞と肺の過膨張を示すCOPDの典型的パターンです。

画像の見方

①:絶対肺気量約7 lから呼出開始、ピーク約3.5 l/秒、下降脚は下に凹み約4.5 lで終了(過膨張+閉塞)。②:約4.9 lから開始、ピーク約5 l/秒、ほぼ直線的に低下し約1.5 lで終了。③:約4.9 lから開始、ピーク約5.7 l/秒の後に約3 l/秒で平坦部が続き約1 lで終了(上気道閉塞型)。④:約4.9 lから開始、ピーク約9.7 l/秒、直線的に低下(正常型)。⑤:約2.4 lから開始し約0.5 lで終了する小さい急峻な曲線(拘束型)。

各選択肢の検討

a.正しい。高肺気量からの呼出、低いピークフロー、下降脚の下に凹んだ形はCOPD(肺気腫)による閉塞性障害を示します。

b.誤り。②はピーク後に流速がほぼ直線的に低下していく曲線で、①のような高肺気量(過膨張)と著明な下に凹んだ下降脚を伴っておらず、喫煙による典型的閉塞性障害の形ではありません。

c.誤り。③はピーク後に流速が約3 l/秒前後で平坦な台地(plateau)を作っています。呼気時に気管が狭くなる胸郭内の中枢気道の可変性閉塞(気管軟化症など)でみられる形で、末梢気道閉塞による喫煙関連の閉塞性障害(下に凹む下降脚)とは異なります(固定性の上気道閉塞では吸気・呼気の両方が平坦化します)。

d.誤り。④はピークフローが約10 l/秒と高く、下降脚がほぼ直線的に低下する正常パターンです。

e.誤り。⑤は肺気量が小さい範囲に限られた小さく急峻な曲線で、肺活量が減る拘束性障害(間質性肺炎など)のパターンです。

覚えるポイント

COPDのflow-volume曲線=高肺気量側へ偏位し、ピークが低く下降脚が下に凹む。呼気の台地状は中枢気道の閉塞、小さく急峻なら拘束性。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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