第107回医師国家試験 H3(2013年)
正答:d
問題
臨床機能評価指標〈クリニカルインディケーター〉について正しいのはどれか。
a.5年に一度更新が必要である。
b.疾患の重症度を示す指標である。
c.多職種の作業工程を一覧できる。
d.医療の質の継続的な改善に利用される。
e.機能検査における精度管理の指標である。
正答の理由
臨床指標(クリニカルインディケーター)は、医療の過程(プロセス)や成果(アウトカム)を数値化して医療の質を定量的に評価する“ものさし”です。国立病院機構は臨床評価指標を各病院が自らの医療を評価し改善に役立てるツールと位置づけ、質向上の取り組みを継続的に行っています。厚生労働省も平成22年度から臨床指標を用いた医療の質の評価・公表等推進事業を行いました。
各選択肢の検討
a.誤り。臨床指標に「5年に一度」といった法定の更新義務はありません。国立病院機構の指標も医療の進歩に合わせて必要に応じて改定されてきたものです。
b.誤り。臨床指標は病院の診療の過程や成果を測る指標で、個々の患者の疾患の重症度を示すものではありません(重症度はむしろ指標を比較する際に補正を考慮すべき要因です)。
c.誤り。多職種の作業工程を時間軸で一覧にした「患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む標準診療計画」はクリニカルパス(クリティカルパス)であり、臨床指標とは別物です(パスの適用数そのものが病院の臨床指標として測られることはあります)。
d.正しい。臨床指標は医療の質を定量的に評価し、その結果をもとに改善を繰り返す(PDCA)ために用いられます。
e.誤り。検査値の正確さを保つ精度管理(内部精度管理・外部精度管理調査)は検体検査の品質・精度の確保の仕組みで、病院の診療のプロセスや成果を測る臨床指標とは異なります。
覚えるポイント
臨床指標=医療のプロセス・アウトカムを数値化した“ものさし”で、医療の質の継続的改善に使う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 国立病院機構 臨床評価指標 Ver.3.1
- 厚生労働省:平成22年度医療の質の評価・公表等推進事業を実施する団体について
- 北海道大学病院 病院指標 28 10例以上適用したクリニカルパス(クリティカルパス)の数
- 第4回検体検査の精度管理等に関する検討会 資料2 臨床検査における品質・精度の確保のための精度管理実態調査
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。