第107回医師国家試験 G35(2013年)
正答:a・d
問題
糖質コルチコイドの作用はどれか。2つ選べ。
a.糖新生の促進
b.リンパ球の増加
c.筋肉における蛋白同化
d.下垂体 ACTH 分泌の抑制
e.腎尿細管におけるカルシウム再吸収促進
正答の理由
糖質コルチコイド(コルチゾール)は肝臓での糖新生を促進して血糖を上げ、視床下部CRH・下垂体ACTHの分泌を負のフィードバックで抑制します。長期のステロイド投与で二次性副腎不全が起こるのはこのACTH抑制のためです。一方、筋では蛋白異化を進め、リンパ球を減少させ、腸管からのカルシウム吸収を減らし尿中排泄を増やします(ステロイド性骨粗鬆症の一因)。
各選択肢の検討
a.正しい。肝臓での糖新生促進はコルチゾールの代表的な作用で、ステロイド投与やCushing症候群で耐糖能異常が起こる理由です。
b.誤り。糖質コルチコイドはリンパ球を破壊・再分布させて減少させます。ステロイド治療中やCushing症候群ではリンパ球減少がみられます。
c.誤り。筋肉では蛋白同化ではなく蛋白異化を促進します。Cushing症候群で四肢の筋萎縮・筋力低下が起こるのはこのためです。
d.正しい。コルチゾールは視床下部・下垂体に負のフィードバックをかけ、ACTH分泌を抑制します。長期投与後に急に中止すると二次性副腎不全をきたします。
e.誤り。糖質コルチコイドは腸管からのカルシウム吸収を減らし、腎からのカルシウム排泄を増やします(再吸収は促進しません)。
覚えるポイント
糖質コルチコイド=糖新生↑・ACTH抑制・筋蛋白異化・リンパ球↓・Ca吸収↓/尿中排泄↑。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Overview of Adrenal Function
- MSD Manual Professional Edition: Cushing Syndrome
- MSD Manual Professional Edition: Lymphocytopenia
- MSD Manual Professional Edition: Secondary Adrenal Insufficiency
- Glucocorticoid-induced osteoporosis: pathogenesis and management (Lukert BP, Raisz LG. Ann Intern Med 1990)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。