第107回医師国家試験 G29(2013年)
正答:d
問題
全身麻酔で意識レベルを下げるために使用するのはどれか。
a.アトロピン
b.リドカイン
c.ベクロニウム
d.チオペンタール
e.ネオスチグミン
正答の理由
全身麻酔は鎮静(意識消失)・鎮痛・筋弛緩・有害反射の抑制を組み合わせて行います。意識を消失させるのは静脈麻酔薬(チオペンタール、プロポフォールなど)や吸入麻酔薬です。チオペンタールは超短時間作用型バルビツール酸系の静脈麻酔薬で、全身麻酔の導入に用いられます。
各選択肢の検討
a.誤り。アトロピンは抗コリン薬で、筋弛緩の拮抗に抗コリンエステラーゼ剤を投与する際に、その副作用(ムスカリン様作用)の防止のため併用されます。意識を下げる薬ではありません。
b.誤り。リドカインはアミド型局所麻酔薬で、硬膜外麻酔・伝達麻酔・浸潤麻酔などに用います。全身麻酔の意識消失を目的とする薬ではありません。
c.誤り。ベクロニウムは非脱分極性の骨格筋弛緩剤で、麻酔時・気管挿管時の筋弛緩に用います。意識を下げる目的では使いません。
d.正しい。チオペンタールはバルビツール酸系の静脈麻酔薬で、患者が応答しなくなる就眠量を投与して全身麻酔を導入します。
e.誤り。ネオスチグミンは抗コリンエステラーゼ薬で、非脱分極性筋弛緩薬の作用の拮抗(リバース)に用い、意識を下げる作用はありません。
覚えるポイント
全身麻酔の役割分担:意識消失=チオペンタール・プロポフォール・吸入麻酔薬、筋弛緩=ベクロニウム・ロクロニウム、拮抗=ネオスチグミン(+アトロピン)またはスガマデクス。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- ラボナール注射用0.3g/0.5g 電子添文(PMDA)
- 使用上の注意改訂指示(2010年4月27日)別紙5 ベクロニウム臭化物・ロクロニウム臭化物(PMDA)
- キシロカイン注ポリアンプ0.5%/1%/2% 電子添文(PMDA)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。