死後経過時間の推定|第107回医師国家試験G20

第107回医師国家試験 G20(2013年)

正答:d

問題

死後経過時間の推定に用いられるのはどれか。

a.溢血点

b.血液凝固

c.瘢痕収縮

d.直腸内温度

e.膀胱内尿量

正答の理由

死後経過時間の推定で現在の標準(gold standard)は、直腸温を用いた体温降下の二重指数モデルによるノモグラム法(Henssge法)です。これに死斑、死後硬直、骨格筋の電気的・機械的興奮性や虹彩の薬物反応(超生反応)を組み合わせて誤差を縮めます。推定に用いられる方法として挙げられるのは、体温降下・死斑・死後硬直・超生反応・生化学的指標・法昆虫学・腐敗の進行などで、溢血点、血液凝固、瘢痕収縮、膀胱内尿量は含まれません。

各選択肢の検討

a.誤り。溢血点(眼瞼結膜・顔面の点状出血)は窒息死の所見として扱われてきたもので、頭部静脈圧の上昇などによる機械的な血管現象と考えられています。死後の時間経過を測る指標ではありません。

b.誤り。死体血が流動性か凝血を含むかは、急死か死戦期が長いかといった死の経過によって変わる所見で、死因・死戦期の評価に関わるものです。死後経過時間の推定法には含まれません。

c.誤り。瘢痕収縮は生前の創傷治癒の過程でみられる変化で、死後経過時間の推定に用いられる方法(体温降下・死斑・死後硬直・超生反応など)には含まれません。

d.正しい。直腸内温度は深部体温を反映し、環境温・体重などで補正したノモグラムにより死後経過時間を推定する標準的方法です。

e.誤り。膀胱内尿量は生前の尿生成・排尿の状況に左右され、死後経過時間の推定に用いられる標準的方法には含まれません。

覚えるポイント

死後経過時間の推定の基本は直腸温(体温降下)で、死斑・死後硬直などを併用する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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