第107回医師国家試験 G17(2013年)
正答:d
問題
家系図(別冊No. 3)を別に示す。
この疾患の遺伝形式はどれか。
a.常染色体優性遺伝
b.常染色体劣性遺伝
c.X連鎖優性遺伝
d.X連鎖劣性遺伝
e.Y連鎖遺伝

正答の理由
罹患者は発端者(Ⅳ世代の男性)、母の兄弟(Ⅲ世代の男性)、母方祖母の兄弟(Ⅱ世代の男性)で、すべて男性です。いずれの両親も罹患しておらず、母方祖母・母という非罹患の女性を介して男性にだけ現れています。罹患男性から息子への伝達はありません。保因者の女性を介して男性に発症するX連鎖劣性遺伝の典型です。
画像の見方
Ⅰ世代の夫婦(ともに死亡)の子のうちⅡ世代の男性1人が罹患。その姉妹(非罹患)の子のうちⅢ世代の男性1人が罹患し、同じ姉妹の別の娘(非罹患)と、Ⅱ世代左側の夫婦の息子(非罹患)との子であるⅣ世代の男児(発端者)が罹患。女性の罹患者はおらず、罹患者の父はいずれも非罹患。
各選択肢の検討
a.誤り。常染色体優性遺伝では罹患者には通常罹患した親がいますが、本家系の罹患者の親はいずれも非罹患です。
b.誤り。常染色体劣性遺伝では男女が同等に罹患し、近親婚などで同胞に集積しやすい形式です。本家系のように母方を通じて世代を越えて男性だけに出る分布はX連鎖劣性の方が合います。
c.誤り。X連鎖優性遺伝ではヘテロ接合の女性も罹患しますが、本家系では保因者と考えられる母・祖母が非罹患です。
d.正しい。罹患者がすべて男性で、非罹患の女性(保因者)を介して伝わり、男性から男性への伝達がないX連鎖劣性遺伝です。
e.誤り。Y連鎖遺伝は父から息子へのみ伝わりますが、本家系の罹患男性の父はいずれも非罹患で、母方を介して伝わっています。
覚えるポイント
罹患は男性のみ、非罹患の母(保因者)を介し、男性→男性の伝達なし=X連鎖劣性遺伝。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Single-Gene Defects
- MedlinePlus Genetics. Help Me Understand Genetics: Inheriting Genetic Conditions
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。