第107回医師国家試験 G11(2013年)
正答:c
問題
成人男性の胸部CT(別冊No. 1)を別に示す。
各部位の解剖名で誤っているのはどれか。
a.①:右気管支
b.②:左上葉気管支起始部
c.③:左下肺静脈
d.④:食道
e.⑤:葉間胸膜

正答の理由
気管分岐部より下の、左右の主気管支が分かれた高さの肺野条件横断像です。③が指す血管は左主気管支のすぐ後外側を走って左肺門に入る血管で、左主気管支の上縁を後上方へ越えて肺門上部に入る左肺動脈に相当します。下肺静脈は下葉からほぼ水平に走って左房へ入る静脈で、より尾側の左房の高さでみられるため、③を左下肺静脈とするのは誤りです。
画像の見方
気管分岐部より下で左右の主気管支が分かれた高さの肺野条件横断像。①は縦隔右側の円形の気管支内腔、②は左主気管支から分かれる上葉気管支の起始部、③は左主気管支の後外側に接して肺門へ向かう血管影、④は左主気管支後方・椎体前の点状の含気(食道内腔)、⑤は右肺野を斜めに走る細い線状影(葉間裂)。
各選択肢の検討
a.正しい記述。①は縦隔右側の円形の含気構造で、右側の気管支(この高さでは右主気管支〜中間気管支幹)の断面です。
b.正しい記述。②は左主気管支から前外側へ分かれる気管支の起始部で、左上葉気管支起始部です。
c.誤っている(正答)。③は左主気管支の後外側を回って肺門に入る左肺動脈です。下肺静脈はより下の高さで水平に左房へ流入するため、この位置の血管ではありません。
d.正しい記述。④は左主気管支の後方、椎体の前の小さな含気をもつ管腔で、後縦隔を走る食道です。
e.正しい記述。⑤は右肺内の細い線状影で、肺葉を隔てる葉間胸膜(葉間裂)です。
覚えるポイント
左肺動脈は左主気管支を後上方から乗り越えて肺門に入る。下肺静脈はより尾側で水平に左房へ入る。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- Radiopaedia: Left pulmonary artery
- Radiopaedia: Pulmonary veins
- Radiopaedia: Esophagus
- Radiopaedia: Oblique fissure
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。