第107回医師国家試験 F18(2013年)
正答:c
問題
50歳の男性。自宅で地震に遭い、倒れてきたたんすに右下肢を挟まれて動けなくなった。翌日に救出されて救急外来に搬送された。骨折はなく全身状態は良好であったが、褐色尿を認めた。
尿所見として考えられるのはどれか。
a.糖陽性
b.ビリルビン陽性
c.潜血反応陽性
d.沈渣に赤血球30〜49/1視野
e.沈渣に白血球10〜30/1視野
正答の理由
下肢が長時間圧迫されたあとの褐色尿は、挫滅症候群(クラッシュ症候群)で骨格筋が壊れ、ミオグロビンが尿中に出たものと考えます。ミオグロビンはヘム蛋白なので尿試験紙の潜血反応は陽性になりますが、沈渣に赤血球はほとんどみられないのが特徴です。
各選択肢の検討
a.誤り。尿糖は高血糖や腎性糖尿で陽性になる所見で、筋崩壊による褐色尿の説明にはなりません。
b.誤り。ビリルビン尿は肝・胆道疾患による抱合型ビリルビン上昇で褐色尿となるもので、圧挫による筋崩壊では起こりません。
c.正しい。ミオグロビンのヘムが試験紙の潜血反応を陽性にします。潜血陽性なのに沈渣赤血球がないことがミオグロビン尿の手がかりです。
d.誤り。ミオグロビン尿では沈渣に赤血球をほとんど認めません。多数の赤血球は尿路からの出血(血尿)を示します。
e.誤り。白血球尿は尿路感染症などの炎症を示す所見で、本例の筋崩壊とは関係しません。
覚えるポイント
圧挫後の褐色尿=ミオグロビン尿:尿潜血陽性なのに沈渣赤血球なし。CK上昇・高K血症・急性腎障害に注意。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。