第107回医師国家試験 F6(2013年)
正答:a
問題
両側眼球結膜の充血が診断に有用なのはどれか。
a.川崎病
b.皮膚筋炎
c.側頭動脈炎
d.関節リウマチ
e.全身性エリテマトーデス〈SLE〉
正答の理由
川崎病では発熱の1〜2日以内に、眼脂(滲出物)を伴わない両側の眼球結膜充血が現れ、主要症状の一つとして診断に用いられます。日本川崎病学会などの「川崎病診断の手引き改訂第6版」(2019年)も「両側眼球結膜の充血」を6つの主要症状の一つに挙げています(出題当時は改訂第5版〈2002年〉の時期)。ほかの膠原病・血管炎にも眼病変はありますが、両側眼球結膜充血を診断の手がかりとする疾患ではありません。
各選択肢の検討
a.正しい。滲出物を伴わない両側眼球結膜充血は、発熱・発疹・口唇口腔所見・頸部リンパ節腫脹などとともに川崎病の主要症状です。
b.誤り。皮膚筋炎で診断に役立つ眼周囲の所見は、上眼瞼の紫紅色浮腫性紅斑(ヘリオトロープ疹)で、結膜充血ではありません。
c.誤り。側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の眼症状は虚血性視神経症による視力障害・複視・一過性黒内障で、結膜充血は診断の手がかりになりません。
d.誤り。関節リウマチの眼病変は上強膜炎・強膜軟化やSjögren症候群による乾燥性角結膜炎で、両側眼球結膜充血は診断に用いません。
e.誤り。SLEで診断に役立つ皮膚粘膜所見は鼻唇溝を避ける頰部(蝶形)紅斑などで、両側眼球結膜充血は特徴的所見ではありません。
覚えるポイント
滲出物のない両側眼球結膜充血は川崎病の主要症状。皮膚筋炎はヘリオトロープ疹。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 川崎病診断の手引き 改訂第6版(日本川崎病学会・日本川崎病研究センター・厚生労働科学研究 難治性血管炎に関する調査研究班)
- MSD Manual Professional Edition: Kawasaki Disease
- MSD Manual Professional Edition: Idiopathic Inflammatory Myopathies
- MSD Manual Professional Edition: Giant Cell Arteritis
- MSD Manual Professional Edition: Rheumatoid Arthritis (RA)
- MSD Manual Professional Edition: Systemic Lupus Erythematosus (SLE)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。