医師の振舞い(敬語)|第107回医師国家試験F4

第107回医師国家試験 F4(2013年)

正答:e

問題

医師の振舞いとして適切でないのはどれか。

a.院内 PHS で話すときは、周囲に十分配慮して話す。

b.面談室で患者に病状説明した後は、患者より後に退室する。

c.患者と話をするときは、できるだけ目線の高さを同じにする。

d.エレベーターを使用するときは、緊急時以外は患者を優先する。

e.上司が外出中であることを患者に伝える場合は「○○先生は外出しておられます」と言う。

正答の理由

患者に対して自分の病院の上司は「ウチ」の人物です。文化審議会答申「敬語の指針」は、ウチ・ソトの意識から、外部の人に対して身内を尊敬語や敬称で立てない言い方を示しています。「外出しておられます」は尊敬語で上司を立てる表現なので不適切で、「○○は外出しております」のように謙譲(丁重)表現を用います。なお同指針は、学校で保護者に対し「田中先生」と敬称を付ける言い方を支持する人も多いと紹介しており、敬称の扱いには場面による幅があります。本肢は敬称に加えて上司の動作を尊敬語「おられます」で立てている点が、ウチ・ソトの原則に照らして明確に不適切です。ほかの肢は、患者の人格を尊重し礼節と良いマナーを保つという医師の職業倫理や、共用試験OSCEの学修・評価項目(同じ目の高さでの挨拶、退室時の配慮、プライバシーへの配慮)に沿った振舞いです。

各選択肢の検討

a.誤り(適切)。PHSの会話が周囲に聞こえると患者情報が漏れるおそれがあり、守秘義務と礼節の観点から周囲への配慮は適切です。

b.誤り(適切)。説明後に患者を先に退室させ見送るのは、患者を尊重する礼節ある態度です。共用試験OSCEの学修・評価項目も、面接の終わりに患者が退室する際に配慮し、必要なら介助して挨拶することを求めています。

c.誤り(適切)。共用試験OSCEの学修・評価項目は「同じ目の高さで患者さんに対して挨拶をする」ことを求めています。目線を合わせると威圧感が減り、患者が話しやすくなります。患者の人格を尊重する接し方です。

d.誤り(適切)。緊急時以外は患者の利便を優先するのが、患者の人格を尊重し礼節と良いマナーを保つ医療者の振舞いです(エレベーター利用を個別に定めた公的規定は確認できず、職業倫理の一般原則に基づく判断です)。

e.正しい(適切でない)。患者(ソト)に身内である上司の動作を「おられます」と尊敬語で述べるのは誤りで、「○○は外出しております」と言うのが適切です。

覚えるポイント

外部の人(患者)に対して自院の上司・同僚は身内として扱い、尊敬語で立てない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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