第107回医師国家試験 F3(2013年)
正答:c
問題
加齢に伴う心臓の変化で正しいのはどれか。
a.心房容積は減少する。
b.左室後負荷は減少する。
c.左室拡張機能は低下する。
d.運動時に左室駆出率の増加が著明になる。
e.運動時に到達可能な最大心拍数は増加する。
正答の理由
加齢では左室壁が厚くなり線維化が進み、拡張早期の充満が遅れて左室拡張機能が低下します(拡張障害、HFpEFの素地)。これを代償して左房圧・左房サイズは増大します。また血管が硬くなって後負荷は増え、運動時の最大心拍数と駆出率の増加(心予備能)は低下します。
各選択肢の検討
a.誤り。拡張早期の充満低下を補うため左房圧・左房容積はむしろ増大し、心房細動が増える背景になります。
b.誤り。動脈硬化(血管の硬化)により収縮期血圧と血管抵抗が上がり、左室後負荷は増加します。
c.正しい。心筋の肥厚・線維化により弛緩が遅れ、拡張早期の左室充満が低下します。
d.誤り。高齢者では運動時の駆出率の上昇が小さく(最大運動時の駆出率は若年者より低い)、心予備能は低下します。
e.誤り。内因性心拍数と最大心拍数は加齢とともに低下し、高齢者の運動時心拍出量低下の主因となります。
覚えるポイント
加齢心:拡張能↓・左房拡大・後負荷↑・最大心拍数↓・運動時EF上昇は鈍い。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- Aging-associated cardiovascular changes and their relationship to heart failure
- MSD Manual Professional Edition: Physical Changes With Aging
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。