第107回医師国家試験 E29(2013年)
正答:c・d
問題
我が国の自殺の現状について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.自殺者数は男性よりも女性が多い。
b.動機としては家庭問題が最も多い。
c.15歳から34歳の死因の第1位である。
d.最近の年間自殺者数は約3万人である。
e.自殺死亡率はOECD加盟国の平均を下回っている。
正答の理由
我が国の自殺者数は平成10年以降14年連続で3万人を超え、平成24年(2012年)に15年ぶりに3万人を下回った時期で、出題当時(2013年)は「約3万人」でした。15〜34歳の若い世代では自殺が死因の第1位で、先進国でこの年代の死因第1位が自殺なのは日本のみです。なお自殺者数はその後も減少し、平成27年には約2.4万人となっており、現在の数値とは異なります。
各選択肢の検討
a.自殺者数は男性よりも女性が多い。誤り。自殺者の約7割は男性で、男性が女性の2倍以上です。
b.動機としては家庭問題が最も多い。誤り。原因・動機別では「健康問題」が最も多く、次いで「経済・生活問題」です。
c.15歳から34歳の死因の第1位である。正しい。15〜34歳の各年代で死因の第1位は自殺です。
d.最近の年間自殺者数は約3万人である。正しい(出題当時)。平成10〜23年は14年連続で3万人を超え、平成24年に15年ぶりに3万人を下回った直後でした。その後は減少し、平成27年は約2.4万人と現在は2万人台です。
e.自殺死亡率はOECD加盟国の平均を下回っている。誤り。OECDによると2011年の日本の自殺死亡率は人口10万対20.9で、OECD平均12.4を大きく上回っていました。WHOの主要国比較でも日本(20.7)は米国・ドイツ・英国・イタリアなどより高い水準です。
覚えるポイント
出題当時の日本の自殺:年間約3万人、男性約7割、動機は健康問題が最多、15〜34歳の死因第1位、国際的に高い自殺死亡率。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省 平成28年版自殺対策白書 第1章1 自殺者数の推移
- 厚生労働省 平成28年版自殺対策白書 第1章3 年齢階級別の自殺者数の推移
- 厚生労働省 平成28年版自殺対策白書 第1章5 原因・動機別の自殺者数の推移
- 厚生労働省 平成28年版自殺対策白書 第1章6 平成27年の自殺の状況
- 厚生労働省 平成28年版自殺対策白書 第1章10 国際的に見た自殺の状況と外国人の自殺の状況
- OECD: Making Mental Health Count – Japan country press note (2014, Internet Archive保存版)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。