片麻痺リハビリテーションの阻害因子|第107回医師国家試験E27

第107回医師国家試験 E27(2013年)

正答:b

問題

脳血管障害による片麻痺患者のリハビリテーションで最も大きな阻害因子となるのはどれか。

a.痙縮

b.全失語

c.構成失行

d.尖足変形

e.肩手症候群

正答の理由

全失語は言語の理解と表出の両方が重度に障害された状態で、訓練の指示や説明を理解できず、意思疎通も取れないため、運動療法や日常生活動作訓練そのものが成立しにくくなります。失語は運動・認知FIMの到達度や自宅退院の予測因子で、とくに言語理解の障害が機能的予後を最もよく予測すると報告されています。他の選択肢は装具・薬物・運動療法などで対処できる局所的な障害です。

各選択肢の検討

a.痙縮。誤り。痙縮は拘縮や歩行障害の原因になりますが、関節可動域訓練、装具、ボツリヌス毒素注射などで対処しながら訓練を進められます。

b.全失語。正しい。言語理解が重度に障害され指示が入らないため訓練全体が困難となり、失語(特に理解障害)は機能的転帰不良の予測因子です。

c.構成失行。誤り。図形の模写や組み立てができない障害で、更衣や作業に影響しますが、指示を理解して訓練に参加することはでき、訓練全体を阻む程度は全失語より小さいです。

d.尖足変形。誤り。足関節の底屈拘縮で歩行の妨げになりますが、短下肢装具やストレッチ、痙縮治療で対応できます。

e.肩手症候群。誤り。片麻痺側の肩・手に疼痛や腫脹を生じる病態で、脳卒中後に生じる複合性局所疼痛症候群(CRPS)として扱われます。痛みが訓練を妨げますが、薬物・神経ブロック・理学療法(ミラーセラピーなど)で疼痛を軽減しながらリハビリを継続できます。

覚えるポイント

片麻痺患者のリハビリで最大の阻害因子は、指示理解ができない重度の言語理解障害(全失語)や重度の認知障害。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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