第107回医師国家試験 E9(2013年)
正答:c
問題
冠動脈について正しいのはどれか。
a.右冠動脈近位部は前室間溝を走行する。
b.左冠動脈前下行枝は冠状溝を走行する。
c.左冠動脈前下行枝から心室中隔枝が分枝する。
d.左冠動脈回旋枝近位部は後室間溝を走行する。
e.左冠動脈前下行枝はValsalva洞から起始する。
正答の理由
左右の冠動脈は大動脈基部の左右のValsalva洞(冠状動脈洞)から起始します。左冠動脈主幹部はすぐに前下行枝と回旋枝に分かれ、前下行枝は前室間溝を走って心室中隔前部と左室前壁を灌流し、その途中で中隔枝を出します。回旋枝と右冠動脈は房室間の冠状溝を走ります。
各選択肢の検討
a.右冠動脈近位部は前室間溝を走行する。誤り。右冠動脈は右側の房室間溝(冠状溝)を走行します。前室間溝を走るのは左冠動脈前下行枝です。
b.左冠動脈前下行枝は冠状溝を走行する。誤り。前下行枝は前室間溝を走行します。冠状溝を走るのは回旋枝と右冠動脈です。
c.左冠動脈前下行枝から心室中隔枝が分枝する。正しい。前下行枝は前室間溝を下行しながら心室中隔へ中隔枝を出し、心室中隔前部(刺激伝導系の近位部を含む)を灌流します。
d.左冠動脈回旋枝近位部は後室間溝を走行する。誤り。回旋枝近位部は左側の房室間溝(冠状溝)を走行します。後室間溝を走る後下行枝は、多くの人(右優位)では右冠動脈から出ます。
e.左冠動脈前下行枝はValsalva洞から起始する。誤り。Valsalva洞(左冠状動脈洞)から起始するのは左冠動脈主幹部で、前下行枝は主幹部が分岐してできる枝です。
覚えるポイント
左冠動脈主幹部→前下行枝(前室間溝、中隔枝)と回旋枝(冠状溝)。右冠動脈は冠状溝を走り、多くは後下行枝を出す。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- Overview of Coronary Artery Disease(MSD Manual Professional Edition)
- Right coronary artery(Radiopaedia, Izhar M, Hacking C, Bell D, et al.)
- Left anterior descending artery(Radiopaedia, Smith L, Hacking C, Bell D, et al.)
- Circumflex artery(Radiopaedia, Morgan M, Hacking C, Elfeky M, et al.)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。