第107回医師国家試験 E4(2013年)
正答:d
問題
救急医療について正しいのはどれか。
a.救急救命士は知事が認定する資格である。
b.救命救急センターは総務省消防庁が指定する。
c.救急指定病院数は最近10年間で増加している。
d.休日夜間急患センターの多くは地域医師会が協力している。
e.ドクターヘリを運用する都道府県数は最近5年間で減少している。
正答の理由
初期救急を担う休日夜間急患センターは、市町村などが設置する場合でも、郡市医師会が運営に協力して会員医師が出務する形が一般的です。日本医師会が2007年に全郡市区医師会に行った調査(暫定集計の報道)では、急患センターの運営形態は「市区町村または第三セクターが運営し医師会が何らかの形で協力」が53.3%、「郡市区医師会等が設置・管理運営」が20.1%で、合わせて7割超に医師会が関与していました。救急救命士は国家資格(厚生労働大臣免許)、救命救急センターは都道府県知事が指定し、救急告示病院は減少、ドクターヘリの配備は増加してきました。
各選択肢の検討
a.救急救命士は知事が認定する資格である。誤り。救急救命士は救急救命士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける国家資格です(救急救命士法第3条)。
b.救命救急センターは総務省消防庁が指定する。誤り。救命救急センターは都道府県の医療計画に基づき都道府県知事が指定します。消防庁は搬送側の行政機関で、指定権者ではありません。
c.救急指定病院数は最近10年間で増加している。誤り。救急告示病院数は平成18年4,169施設から平成25年3,850施設へと減少傾向にあります(厚生労働省医政局調べ)。
d.休日夜間急患センターの多くは地域医師会が協力している。正しい。日本医師会の2007年調査(暫定集計、薬事日報の報道で確認)では、急患センターの運営形態は「市区町村等が運営し医師会が協力」53.3%、「郡市区医師会等が設置・管理運営」20.1%でした。厚生労働省の初期救急医療機関の現況調べも、急患センターを郡市医師会ごとに対応づけて集計しています。なお日本医師会の報告書原本は未取得です。
e.ドクターヘリを運用する都道府県数は最近5年間で減少している。誤り。ドクターヘリは2007年の特別措置法以降に配備が進み、2015年に44か所、2018年3月には42道府県52機と増加しています。
覚えるポイント
救急救命士=厚生労働大臣免許、救命救急センター=知事指定、休日夜間急患センター=地域医師会の協力で運営される初期救急。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 救急救命士法(e-Gov法令API本文)
- 救命救急センターの充実段階評価について(基礎資料)(厚生労働省 第22回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会 参考資料2)
- 救急・災害医療の現状と本研究会の概要について(厚生労働省 救急・災害等の課題に対する研究会 資料1、平成27年3月24日)
- 救急医療提供体制の現況調べ(初期救急医療機関)(厚生労働省)
- ドクターヘリの現状と課題(猪口貞樹、厚生労働省 検討会資料3、2018年5月30日)
- 夜間休日救急センターの設置は4割‐日医が救急医療で調査(薬事日報、2007年7月31日)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。