乳腺線維腺腫|第107回医師国家試験D48

第107回医師国家試験 D48(2013年)

正答:e

問題

22歳の女性。右乳房のしこりを主訴に来院した。右乳房に長径約 2 cmの卵形の腫瘤を触知する。腫瘤は表面平滑、弾性硬および可動性良好で圧痛を認めない。乳頭からの分泌物を認めない。乳房超音波像(別冊No. 23)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.乳癌

b.Mondor病

c.慢性乳腺炎

d.乳管内乳頭腫

e.乳腺線維腺腫

乳房超音波像。皮下の乳腺内に境界明瞭で辺縁平滑な楕円形の低エコー腫瘤があり、内部はほぼ均一
別冊No. 23 / 出典:厚生労働省・第107回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

20歳代の女性に、表面平滑・弾性硬・可動性良好で圧痛のない卵形の腫瘤があり、超音波像では境界明瞭で辺縁平滑な楕円形の低エコー腫瘤です。若年女性に好発する良性腫瘍である乳腺線維腺腫の典型像です。単純な線維腺腫は乳癌リスクを上げないとされ、針生検などで確認したうえで経過観察が基本です。

画像の見方

深さ約0.5〜1.5 cmの位置に、横長の楕円形で境界明瞭・辺縁平滑な低エコー腫瘤を認める。内部エコーはほぼ均一で、腫瘤の後方はやや高エコーとなり、後方エコーの減弱(音響陰影)はない。周囲組織への浸潤像や境界部の高エコー帯(halo)はみられない。

各選択肢の検討

a.誤り。乳癌は硬く不整形で可動性が乏しいことが多く、超音波でも境界不明瞭・不整形の低エコー腫瘤を示します。22歳での平滑・可動性良好な腫瘤とは合いません。

b.誤り。Mondor病は乳房の表在静脈の血栓性静脈炎で、皮下に索状の硬結(cord)として触れ、卵形の腫瘤は作りません。

c.誤り。乳腺炎は疼痛・発赤・腫脹など炎症所見を伴いますが、本例は圧痛がなく炎症所見もありません。

d.誤り。乳管内乳頭腫は血性乳頭分泌の最も多い原因で、乳管内の病変です。本例は乳頭分泌がありません。

e.正しい。若年女性の平滑・弾性硬・可動性良好な卵形腫瘤と、境界明瞭な楕円形低エコー像から乳腺線維腺腫と考えます。

覚えるポイント

若年女性の表面平滑・可動性良好な卵形腫瘤+境界明瞭な楕円形低エコーは乳腺線維腺腫。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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