第107回医師国家試験 C11(2013年)
正答:a
問題
結核の検査について適切なのはどれか。
a.痰が出ないときは胃液を採取し検体とする。
b.末梢血で白血球増多が著明な場合は結核の可能性が低い。
c.ツベルクリン反応が陽性であれば直ちに治療を開始する。
d.隔離の必要性を決めるため気管支ファイバースコープで痰を採取する。
e.結核菌特異的全血インターフェロン γ 遊離測定法〈IGRA〉が陽性であれば直ちに治療を開始する。
正答の理由
結核の確定診断と感染性の評価は、痰の抗酸菌塗抹・培養・核酸増幅検査で行い、通常3日連続で採取します。痰が出せない場合は、気管支洗浄液や胃液(誘発喀痰も用いられます)を検体とします。ツベルクリン反応やIGRAは感染の有無をみる検査で、活動性結核と潜在性結核感染を区別できません。
各選択肢の検討
a.痰が出ないときは胃液を採取し検体とする。正しい。喀痰の排出が困難な患者では胃液や気管支洗浄液を検体とします。胃液は痰を出せない小児で特に用いられ、成人では誘発喀痰が優先されることもあります。
b.末梢血で白血球増多が著明な場合は結核の可能性が低い。誤り。結核の診断・感染性評価は喀痰の抗酸菌塗抹・培養・核酸増幅検査(感染の有無はツベルクリン反応・IGRA)で行い、末梢血白血球数は結核を除外する根拠として用いられていません。白血球数の多寡にかかわらず、疑えば抗酸菌検査を行います。
c.ツベルクリン反応が陽性であれば直ちに治療を開始する。誤り。ツベルクリン反応はBCG接種や非結核性抗酸菌感染でも陽性となり、また活動性結核と潜在性感染を区別できないため、陽性だけで治療は開始しません。
d.隔離の必要性を決めるため気管支ファイバースコープで痰を採取する。誤り。感染性(隔離の要否)は喀痰の塗抹検査などで判断し、隔離解除には通常2日間で3回の喀痰塗抹陰性を確認します。気管支鏡や誘発喀痰は医療者の感染リスクを伴うため、喀痰が得られない場合の最終手段とされます。
e.結核菌特異的全血インターフェロン γ 遊離測定法〈IGRA〉が陽性であれば直ちに治療を開始する。誤り。IGRAは特異度は高いものの活動性結核と潜在性結核感染を区別できず、陽性なら画像・喀痰検査で活動性結核の有無を評価してから治療方針を決めます。
覚えるポイント
結核の診断・感染性評価は喀痰(不能なら胃液・誘発喀痰・気管支洗浄液)の抗酸菌検査で。ツ反・IGRAは活動性と潜在性を区別できない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。