我が国の慢性透析患者の動向|第107回医師国家試験B7

第107回医師国家試験 B7(2013年)

正答:c

問題

我が国の慢性透析患者の近年の傾向で正しいのはどれか。

a.腎移植数は減少に転じた。

b.5年生存率は低下している。

c.死亡原因として感染症の比率が増加している。

d.糖尿病性腎症による透析導入数は減少している。

e.糖尿病患者と非糖尿病患者との間で5年生存率に差がない。

正答の理由

日本透析医学会の統計調査では、透析患者の死亡原因は心不全が最多ですが、感染症死の比率は1993年以降増加傾向を続け第2位となっていました。出題当時の傾向として、感染症の比率増加が正答です(2012年末調査では「2009年まで増加し、ここ数年は横ばい」と記載され、2021年末調査では22.0%で心不全に迫っています)。

各選択肢の検討

a.腎移植数は減少に転じた。誤り。腎移植臨床登録集計では2000年の749例から2012年の1,610例(過去最高)まで、生体腎移植を中心に増加していました。

b.5年生存率は低下している。誤り。日本透析医学会の報告では、導入後5年・10年生存率は導入年1992年頃を境にわずかずつ改善しており、低下はしていません。

c.死亡原因として感染症の比率が増加している。正しい。感染症死は1993年以降増加し、心不全に次ぐ死因となっています。

d.糖尿病性腎症による透析導入数は減少している。誤り。出題当時、糖尿病性腎症による年間導入数は16,000人前後で横ばいで、導入原疾患の第1位でした(2021年末調査では近年減少傾向と記載)。

e.糖尿病患者と非糖尿病患者との間で5年生存率に差がない。誤り。日本透析医学会の報告は糖尿病患者を「生命予後の不良な」群として扱っており、心血管合併症や感染症が多い糖尿病性腎症の透析患者は非糖尿病患者より生存率が低いとされています。

覚えるポイント

透析患者の死因1位は心不全、2位感染症(増加傾向)。導入原疾患1位は糖尿病性腎症。腎移植は生体腎中心に増加。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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