第107回医師国家試験 A16(2013年)
正答:b・e
問題
サルコイドーシスの気管支鏡検査所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
a.気管支粘膜の白苔
b.粘膜下血管の網目形成所見
c.気管支肺胞洗浄〈BAL〉液中のリンパ球分画低下
d.米のとぎ汁様の白濁した気管支肺胞洗浄〈BAL〉液
e.経気管支肺生検〈TBLB〉での非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
正答の理由
サルコイドーシスの気管支鏡では、粘膜下血管の網目状増生や黄色斑などの気道粘膜所見、BAL液のリンパ球比率・CD4/CD8比の上昇がみられ、TBLBで乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明されれば組織診断群となります。
各選択肢の検討
a.気管支粘膜の白苔。誤り。サルコイドーシスの気管支鏡で記載される粘膜所見は黄色斑・血管増生・発赤腫脹・気管支の圧排狭窄で、白苔はこれに含まれません。白苔は一般に粘膜表面への付着物(感染・壊死物など)を示す所見です。
b.粘膜下血管の網目形成所見。正しい。粘膜下血管の網目状の増生(文献では「血管増生」として記載)はサルコイドーシスの気道粘膜所見で、未治療例の約3割にみられたと報告されています。
c.気管支肺胞洗浄〈BAL〉液中のリンパ球分画低下。誤り。BAL液ではリンパ球比率とCD4/CD8比が上昇し、診断基準の項目になっています。
d.米のとぎ汁様の白濁した気管支肺胞洗浄〈BAL〉液。誤り。乳白色のPAS陽性BAL液は肺胞蛋白症の特徴です。
e.経気管支肺生検〈TBLB〉での非乾酪性類上皮細胞肉芽腫。正しい。乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫の証明により組織診断群となります。
覚えるポイント
サルコイドーシスの気管支鏡は「網目状血管増生・BALリンパ球とCD4/CD8比上昇・TBLBで非乾酪性肉芽腫」。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 難病情報センター: サルコイドーシス(指定難病84)
- 前里和夫ほか: サルコイドーシスにおける気管支鏡検査の意義(気管支・肺生検,内視鏡所見,気管支肺胞洗浄). 京大胸部研紀要 第17巻第1,2号
- MSD Manual Professional Edition: Pulmonary Alveolar Proteinosis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。