慢性硬膜下血腫の頭部CT|第107回医師国家試験A12

第107回医師国家試験 A12(2013年)

正答:c

問題

頭部単純 CT(別冊No. 1 ①〜⑤)を別に示す。

2 か月前に頭部打撲の既往があり、歩きにくさを訴える高齢者の頭部単純 CT として考えられるのはどれか。

a.①

b.②

c.③

d.④

e.⑤

頭部単純CT横断像5枚。①右脳表の三日月状高吸収域、②右大脳半球の広い低吸収域、③右脳表の等吸収〜やや高吸収の三日月状病変と脳溝消失・正中偏位、④右前頭部骨直下の凸レンズ状高吸収域と頭皮腫脹、⑤右前頭葉の粗大な石灰化様高吸収巣。
別冊No.1:頭部単純CT①〜⑤ / 出典:厚生労働省・第107回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

軽微な頭部外傷から数週〜数か月後に、歩行障害・頭痛・認知機能低下・片麻痺などで発症する高齢者の病態は慢性硬膜下血腫です。CTでは脳表に沿う三日月状の血腫で、時期により等吸収〜低吸収・混合吸収を示し、正中偏位を伴います。③はこの所見に合致します。

画像の見方

③では右前頭〜頭頂部の脳表に沿う等吸収〜やや高吸収の三日月状病変により脳溝が消失し、右側脳室が圧排され正中構造が左へ偏位しています。①は三日月状の高吸収域(急性硬膜下血腫を考える)、②は広範な低吸収域(脳梗塞を考える)、④は凸レンズ状の高吸収域(急性硬膜外血腫を考える)、⑤は粗大な石灰化様高吸収巣です。①②④⑤の個別診断は公式に示されておらず、画像からの読影です。

各選択肢の検討

a.①。誤り。右大脳半球表面に沿う三日月状の高吸収域(内部に低吸収が混在)で、急性硬膜下血腫を考える像です。2か月前の打撲後の慢性期像とは合いません。

b.②。誤り。右大脳半球に動脈支配域に一致するような広い低吸収域があり、硬膜下の血腫ではなく脳梗塞を考える像です。

c.③。正しい。右前頭〜頭頂部の脳表に沿って脳実質とほぼ等吸収〜やや高吸収の三日月状病変があり、脳溝の消失と側脳室の圧排・正中偏位を伴います。打撲後2か月の高齢者の慢性硬膜下血腫に合致します。

d.④。誤り。右前頭部の骨直下に凸レンズ状の高吸収域があり、頭皮の腫脹も伴います。急性硬膜外血腫を考える像で、慢性硬膜下血腫ではありません。

e.⑤。誤り。右前頭葉に粗大な石灰化様の著明な高吸収巣が集簇しており、石灰化を伴う腫瘍や血管奇形などの非外傷性病変を考える像です。

覚えるポイント

高齢者の軽微な頭部外傷から数週〜数か月後の歩行障害・認知低下は慢性硬膜下血腫を疑い、三日月状の等〜低吸収域を探す。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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