機能性視床下部性無月経|第106回医師国家試験I64

第106回医師国家試験 I64(2012年)

正答:c

問題

17歳の女子。最終月経から7週間の無月経を主訴に来院した。陸上部の練習が厳しく、体重が3か月で6 kg減少したという。初経12歳。月経周期は28日型、整。身長156 cm、体重40 kg。腹部超音波検査で卵巣に異常を認めない。黄体ホルモンの投与によって消退出血を認めた。

診断として最も考えられるのはどれか。

a.妊娠

b.早発閉経

c.視床下部性無月経

d.多囊胞性卵巣症候群

e.Asherman症候群

正答の理由

強い運動負荷と3か月で6 kgの体重減少は視床下部―下垂体―卵巣系の抑制を起こし、視床下部性無月経につながります。黄体ホルモン投与後の消退出血は子宮内膜と流出路が保たれ、エストロゲン作用が残ることを示します。

各選択肢の検討

a.妊娠。妊娠は無月経の鑑別として最初に除外すべきですが、強い運動負荷と急な体重減少、正常卵巣、プロゲステロン投与後の消退出血からは本問の最も考えられる診断ではありません。

b.早発閉経。17歳で早発閉経を考える所見は乏しく、卵巣機能不全なら通常は高ゴナドトロピンなどの評価が必要です。

c.視床下部性無月経。正しい。厳しい運動と短期間の体重減少は視床下部―下垂体―卵巣系を抑制し、機能性視床下部性無月経を起こします。黄体ホルモン投与後の消退出血は子宮内膜・流出路が保たれ、一定のエストロゲン作用があることを示します。

d.多囊胞性卵巣症候群。多囊胞性卵巣症候群では慢性排卵障害や高アンドロゲン所見が手掛かりで、今回の運動・体重減少との関連を説明しません。

e.Asherman症候群。Asherman症候群は子宮内癒着により月経血流出が障害される病態で、黄体ホルモン投与後に消退出血を認める所見と合いません。

覚えるポイント

エネルギー不足や過度の運動による機能性視床下部性無月経では、まず妊娠を除外し、栄養・運動負荷を評価する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました