第106回医師国家試験 I63(2012年)
正答:c
問題
65歳の男性。右手の脱力としびれとを主訴に来院した。1週前と昨日とに、これらの症状が現れ、約20分間持続したという。身体診察所見に異常を認めない。頭部MRIで明らかな異常を認めない。
この患者に対する説明として最も適切なのはどれか。
a.「特に心配はありません」
b.「自宅で安静にしていてください」
c.「すぐに原因の精査をしましょう」
d.「検査のため来週入院しましょう」
e.「1か月後にもう一度、頭部MRIを撮りましょう」
正答の理由
片側の脱力・しびれが短時間で消失して反復しており、一過性脳虚血発作が疑われます。MRIが正常でもTIAは否定できず、脳梗塞リスクを下げるため直ちに血管・心原性塞栓源などを調べます。
各選択肢の検討
a.「特に心配はありません」。一過性脳虚血発作(TIA)はその後の脳梗塞リスクを伴うため、「心配ない」と説明して終了できません。
b.「自宅で安静にしていてください」。自宅安静のみでは脳血管・心原性塞栓源など原因評価と再発予防が遅れます。
c.「すぐに原因の精査をしましょう」。正しい。片側の脱力・しびれが一過性に反復しておりTIAが疑われます。頭部MRIに明らかな異常がなくてもTIAを除外できず、早急に原因検索と再発予防を始めます。
d.「検査のため来週入院しましょう」。来週まで検査を待つと、発症直後の脳梗塞リスク評価や治療開始が遅れます。
e.「1か月後にもう一度、頭部MRIを撮りましょう」。1か月後のMRI再検だけでは現在必要な緊急血管・心臓評価や二次予防に間に合いません。
覚えるポイント
TIA疑いは発症直後の脳梗塞リスクがあるため、MRI正常でも緊急評価と二次予防が必要である。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- Transient ischemic attack and minor stroke: diagnosis, risk stratification and management
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。