洞不全症候群とペースメーカー|第106回医師国家試験I50

第106回医師国家試験 I50(2012年)

正答:d

問題

78歳の男性。突然の意識消失を繰り返すことを主訴に来院した。発作は約3か月前からみられ、頻度は2週に1回程度であるという。薬は服用していない。来院時、意識は清明。脈拍52/分、整。血圧116/68 mmHg。身体診察所見、胸部エックス線写真および12誘導心電図に異常を認めない。携帯型心電図記録計による症状発現時の心電図(別冊No. 9)を別に示す。

治療として適切なのはどれか。

a.β遮断薬の投与

b.抗コリン薬の投与

c.植え込み型除細動器の留置

d.心臓ペースメーカーの留置

e.カテーテルアブレーション

別冊No.9の携帯型心電図。洞調律の後に長い洞停止が記録されている。
別冊No.9 / 出典:厚生労働省・第106回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

発作時記録には洞調律の後の長い洞停止があり、反復する失神と徐脈性不整脈の時間的対応が確認できます。症候性洞不全症候群に対して恒久ペースメーカーを留置します。

画像の見方

別冊No.9(物理p.14)は1〜3段が同一誘導の連続記録である。2段目後半から3段目前半にかけてP波とQRS波がともに出現しない長い休止があり、洞停止を示す。右下の尺度は1秒。

各選択肢の検討

a.β遮断薬の投与。β遮断薬は洞結節機能をさらに抑制し、失神を伴う徐脈性不整脈を悪化させるおそれがあります。

b.抗コリン薬の投与。抗コリン薬は一時的に心拍数を上げる場合がありますが、反復する失神と発作時の長い洞停止に対する恒久治療にはなりません。

c.植え込み型除細動器の留置。植込み型除細動器は主に致死性心室性不整脈や高リスク患者の突然死予防に用い、洞停止を伴う徐脈への第一選択ではありません。

d.心臓ペースメーカーの留置。正しい。症状記録中に洞調律が長く途絶える洞停止があり、反復する失神との対応が明瞭です。症候性洞不全症候群には恒久ペースメーカーが適応になります。

e.カテーテルアブレーション。カテーテルアブレーションは主に頻拍性不整脈の治療であり、洞結節の停止を治療する方法ではありません。

覚えるポイント

洞停止が失神に対応して記録された症候性洞不全症候群はペースメーカーの適応となる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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