肝細胞癌の肝切除範囲|第106回医師国家試験I21

第106回医師国家試験 I21(2012年)

正答:c

問題

肝細胞癌の腹部造影 CT(別冊No. 4A、B)を別に示す。肝切除術を行う場合の術式として適切なのはどれか。

a.左外側区域切除

b.中央2区域切除

c.右3区域切除

d.左3区域切除

e.尾状葉切除

別冊No.4Aの腹部造影CT。右肝に大きな腫瘤を認める。
別冊No.4A / 出典:厚生労働省・第106回I別冊(原本の該当ページ)
別冊No.4Bの腹部造影CT。右肝を大きく占める腫瘤の広がりを示す。
別冊No.4B / 出典:厚生労働省・第106回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

腫瘍は右肝に大きく広がり、左内側区域(S4)側にも及んでいます。右肝の前・後区域と左内側区域を切除する右3区域切除が、提示された術式の中で病変の広がりに対応します。実際の手術適応には肝予備能、残肝容積、血管・胆管との関係の評価も必要です。

画像の見方

別冊No.4A(物理p.8)・4B(物理p.9)のCTを目視し、右肝を大きく占める腫瘤とラベルを確認した。

各選択肢の検討

a.左外側区域切除。左外側区域(主に肝区域II・III)の切除では右肝に広がる病変を含められません。

b.中央2区域切除。左内側区域(S4)と右前区域(S5・S8)を切除する術式で、右後区域に及ぶ病変を残してしまいます。

c.右3区域切除。正しい。右前区域・右後区域と左内側区域(S4)を切除する術式で、右肝からS4側に及ぶ腫瘍の広がりに対応します。

d.左3区域切除。左肝と右前区域を切除する術式で、腫瘍が及ぶ右後区域が残るため適切ではありません。

e.尾状葉切除。病変の主座は尾状葉ではなく、尾状葉単独切除では病変を切除できません。

覚えるポイント

肝切除術式はCTで病変の区域・脈管との関係を確認し、切除後に機能する残肝を確保して選びます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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