脳転移のMRI・病理|第106回医師国家試験I7

第106回医師国家試験 I7(2012年)

正答:d

問題

高齢女性の頭部MRIの造影T1強調像(別冊No. 1A)と病変のH-E染色標本(別冊No. 1B)とを別に示す。考えられるのはどれか。

a.胚細胞腫

b.乏突起膠腫

c.神経膠芽腫

d.転移性脳腫瘍

e.悪性リンパ腫

造影T1強調頭部MRI。脳実質内に造影される腫瘤を認める。
別冊No.1A / 出典:厚生労働省・第106回I別冊(原本の該当ページ)
病変のH-E染色標本。腺管形成を伴う異型上皮性腫瘍細胞を認める。
別冊No.1B / 出典:厚生労働省・第106回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

造影MRI上の脳内腫瘤だけでは鑑別が必要ですが、H-E標本では腺管形成を示す癌組織がみられます。脳原発の胚細胞腫・グリオーマ・リンパ腫ではなく、他臓器原発の癌の転移と判断します。

画像の見方

MRIでは脳実質内に造影腫瘤を認める。H-E標本では腺管形成を示す異型上皮性腫瘍細胞がみられ、転移性腺癌を示唆する。

各選択肢の検討

a.胚細胞腫。胚細胞腫は主に若年者に生じる腫瘍で、提示された標本の腺癌様組織像とは合いません。

b.乏突起膠腫。乏突起膠腫はグリア系腫瘍で、H-E標本にみられる腺管形成を示す上皮性腫瘍とは異なります。

c.神経膠芽腫。神経膠芽腫は高悪性度のグリア腫瘍ですが、提示標本の腺癌様形態からは考えにくいです。

d.転移性脳腫瘍。正しい。造影MRIの脳実質病変と、H-E標本で確認できる腺癌様の上皮性腫瘍細胞の組合せは、他臓器原発癌の脳転移に合致します。

e.悪性リンパ腫。悪性リンパ腫はリンパ球系腫瘍で、標本の腺管形成を示す上皮性細胞とは異なります。

覚えるポイント

脳内の造影病変は画像所見だけで確定せず、組織型を合わせて原発性脳腫瘍と転移を鑑別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました