症候性胸水への胸腔穿刺|第106回医師国家試験H29

第106回医師国家試験 H29(2012年)

正答:b

問題

61歳の女性。息苦しさを主訴に来院した。3年前に乳癌に対し右乳房温存乳腺部分切除術を受けて以来、抗癌化学療法とホルモン療法とを続けている。1週間前から息苦しさを自覚し、徐々に増悪してきたため受診した。

体温36.8℃。脈拍108/分、整。血圧120/80 mmHg。呼吸数24/分。SpO₂ 90%(room air)。右胸部で呼吸音が減弱している。下腿に浮腫を認めない。

血液所見:赤血球410万、Hb 11.8 g/dL、Ht 38%、白血球7,200、血小板21万。免疫学所見:CRP 0.3 mg/dL。CEA 9.2 ng/mL(基準5以下)。マスクで酸素投与を開始したところ、SpO₂は95%になった。胸部エックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。

現時点の対応として適切なのはどれか。

a.気管挿管

b.胸腔穿刺

c.強心薬の投与

d.抗菌薬の投与

e.心囊穿刺

胸部X線写真で右胸水を認め、右肋骨横隔膜角が鈍化している。
別冊No.3 / 出典:厚生労働省・第106回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

片側呼吸音低下と胸部画像の胸水に加え乳癌治療歴がある。胸腔穿刺で原因を調べるとともに症状軽減を図る。

画像の見方

胸部X線写真で右胸水を認め、右肋骨横隔膜角が鈍化している。

各選択肢の検討

a.気管挿管。酸素投与で酸素化が改善しており、直ちに気道確保が必要な状況ではない。

b.胸腔穿刺。片側胸水の診断と呼吸困難の軽減のため、胸水採取・排液を行う。

c.強心薬の投与。心不全を示す所見に乏しく、片側胸水への対応として選ばない。

d.抗菌薬の投与。発熱や炎症反応上昇など感染性肺炎・胸膜炎の根拠が乏しい。

e.心囊穿刺。心タンポナーデを示す所見はなく、示される胸水への処置ではない。

覚えるポイント

症候性胸水では診断と呼吸困難軽減を目的に胸腔穿刺を検討する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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