緩和ケアの基本概念|第106回医師国家試験G26

第106回医師国家試験 G26(2012年)

正答:c

問題

緩和医療について正しいのはどれか。

a.疼痛緩和にオキシコドンは使用しない。

b.緩和ケアは癌終末期に限定された医療である。

c.緩和ケアは死を早めることも遅らせることもしない。

d.Kübler-Ross の死の過程では、虚脱の次に怒りに至る。

e.全人的苦痛〈トータルペイン〉に身体的苦痛は含まれない。

正答の理由

WHOの緩和ケアの定義(2002年)は、緩和ケアが生命を肯定し死を自然な過程と捉え、「死を早めることも遅らせることも意図しない」と明記しています。同じ定義は、緩和ケアが病気の早期から延命治療と併用して適用できることも述べており、終末期に限りません。

各選択肢の検討

a.誤り。オキシコドンはモルヒネと並ぶ代表的な強オピオイドで、癌性疼痛を含む中等度〜高度の疼痛に用いられます。オピオイドは癌性疼痛や終末期の疼痛への有効性が確立しています。

b.誤り。WHOの定義では、緩和ケアは病気の早期から化学療法・放射線療法などの延命を目的とする治療と並行して適用できるとされます。

c.正しい。WHOの定義に「死を早めることも遅らせることも意図しない」と記載されています。

d.誤り。Kübler-Rossの5段階は否認→怒り→取引→抑うつ→受容で、怒りは否認の次です。「虚脱」という段階はありません。なお各段階は必ずしもこの順に全員が経るものではないと批判・補足されています。

e.誤り。トータルペイン(全人的苦痛)は身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛を合わせた概念で、身体的苦痛はその中心要素の一つです。

覚えるポイント

WHO緩和ケア=早期から・死を早めも遅らせもしない。トータルペイン=身体・精神・社会・スピリチュアル。Kübler-Ross=否認→怒り→取引→抑うつ→受容。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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