疾患と聴診所見|第106回医師国家試験G23

第106回医師国家試験 G23(2012年)

正答:b

問題

疾患と聴診所見の組合せで誤っているのはどれか。

a.肺高血圧症――Ⅱ音の亢進

b.大動脈弁閉鎖不全症――全収縮期雑音

c.心房中隔欠損症――拡張期ランブル

d.拡張型心筋症――奔馬調律

e.僧帽弁閉鎖不全症――Ⅲ音

正答の理由

大動脈弁閉鎖不全症の典型的雑音は、Ⅱ音直後から始まる拡張早期の逆流性雑音です。全収縮期雑音は僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症・心室中隔欠損症の雑音なので、bの組合せが誤りです(ARでは逆流による一回拍出量増加で収縮中期の駆出性雑音を伴うことはあります)。

各選択肢の検討

a.正しい組合せ。肺高血圧症では肺動脈弁閉鎖音(P2)が亢進し、Ⅱ音が強くなります。進行すると右室性Ⅲ音や三尖弁逆流雑音も加わります。

b.誤り(これが正答)。大動脈弁閉鎖不全症の雑音は拡張早期の逆流性雑音です。全収縮期雑音ではありません。

c.正しい組合せ。心房中隔欠損症では左右短絡で三尖弁を通る血流が増え、拡張中期の流入性雑音(相対的三尖弁狭窄による拡張期ランブル)が生じ得ます。肺動脈弁口の血流増加による駆出性収縮期雑音とⅡ音の固定性分裂も特徴です。

d.正しい組合せ。拡張型心筋症では拡張し収縮不全に陥った心室によりⅢ音(またはⅣ音)が加わり、奔馬調律(ギャロップ)を聴取します。

e.正しい組合せ。僧帽弁閉鎖不全症では心尖部の全収縮期雑音が主所見で、重症例では拡張早期に大量の血液が左室へ流入するためⅢ音を伴います。

覚えるポイント

AR=拡張早期雑音、MR=全収縮期雑音+Ⅲ音、ASD=Ⅱ音固定性分裂+拡張期ランブル、肺高血圧=P2亢進。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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