第106回医師国家試験 G21(2012年)
正答:c
問題
低栄養状態で高値を示すのはどれか。
a.レプチン
b.アルブミン
c.成長ホルモン
d.コリンエステラーゼ
e.遊離トリヨードサイロニン
正答の理由
飢餓や神経性やせ症などの低栄養では、インスリン低下などにより肝のGH受容体シグナルが弱まってIGF-1が低下する「後天性GH抵抗性」が生じ、負のフィードバックが外れてGHはむしろ著明に上昇します(グレリン上昇もGH分泌を促す)。一方、脂肪量に比例するレプチン、肝で合成されるアルブミン・コリンエステラーゼ、末梢でT4から変換されるT3はいずれも低下します。
各選択肢の検討
a.誤り。レプチンは脂肪細胞から分泌され体脂肪量を反映するため、脂肪が減る低栄養では低値になります。
b.誤り。アルブミンは肝で合成されるため、蛋白・エネルギー低栄養では低下し、MSDも重症度評価の指標に血清アルブミンを挙げています(半減期が長く炎症でも下がる点に注意)。
c.正しい。低栄養ではIGF-1が低下する一方でGHは上昇し、GH抵抗性の状態になります。
d.誤り。血清コリンエステラーゼは肝の蛋白合成能を反映し、肝での蛋白合成が落ちる低栄養では低下するため、栄養状態の指標として使われます。
e.誤り。低栄養ではT4→T3への末梢変換が抑えられ、遊離T3が低下します(low T3症候群)。エネルギー消費を抑える適応反応です。
覚えるポイント
低栄養:GH↑・IGF-1↓(GH抵抗性)、コルチゾール↑、レプチン↓・T3↓・アルブミン↓・ChE↓。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- Hoskens L, et al. Therapeutic approaches for endocrine dysregulation in anorexia nervosa in adolescents. Front Pediatr 2026(PMC13044048)
- MSD Manual Professional Edition: Anorexia Nervosa
- MSD Manual Professional Edition: Protein-Energy Undernutrition (PEU)
- Okamoto K, et al. Significance of Serum Cholinesterase as a Prognostic Marker in Patients with Non-dialysis-dependent Chronic Kidney Disease. Intern Med 2025(PMC12702536)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。