我が国の精神保健福祉|第106回医師国家試験G20

第106回医師国家試験 G20(2012年)

正答:e

問題

我が国における精神保健福祉について誤っているのはどれか。

a.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉の目的には、精神障害者の社会参加が挙げられている。

b.平成20年患者調査による在院患者数では「精神及び行動の障害」の患者が最も多い。

c.精神障害者は障害者自立支援法の対象に含まれる。

d.地域精神保健活動の第一線機関は保健所である。

e.措置入院患者数は増加傾向にある。

正答の理由

措置入院(精神保健福祉法第29条:2人以上の精神保健指定医の診察結果が自傷他害のおそれで一致した場合の都道府県知事による入院)の在院患者数は、衛生行政報告例で昭和62年末20,014人→平成5年6,793人→平成15年度末2,418人→平成19年度末1,774人と長期的に大きく減っており、「増加傾向」は誤りです。他の4肢は法律・統計・業務運営要領の記載に合っています。

各選択肢の検討

a.正しい。精神保健福祉法第1条は、精神障害者の社会復帰の促進と「自立と社会経済活動への参加の促進」のための援助を目的に掲げています。

b.正しい。平成20年患者調査の推計入院患者数(傷病分類別)は「精神及び行動の障害」301.4千人が最多で、循環器系の疾患280.3千人、新生物159.2千人が続きます。

c.正しい。障害者自立支援法(平成17年法律第123号、現在の障害者総合支援法)は身体・知的・精神の3障害を一元的に対象とし、現行法第4条も精神保健福祉法第5条の精神障害者を「障害者」に含めています。

d.正しい。「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」は、保健所を地域精神保健福祉業務の「中心的な行政機関」と位置づけています。問題文の「第一線機関」は、住民に最も近い行政機関として相談・訪問・入院関係事務を担うこの位置づけを指す表現です(精神保健福祉センターは都道府県の技術的中核機関)。

e.誤り(これが正答)。措置入院の在院患者数は長期的に減少しています。年度により前年比で微増した年(平成19年度末は前年比+4人)はありますが、全体の傾向は減少です。

覚えるポイント

措置入院=指定医2名一致・知事の命令。在院数は長期減少。入院患者数最多の傷病分類は精神及び行動の障害。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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