第106回医師国家試験 G15(2012年)
正答:a
問題
うっ血性心不全で認められる浮腫の特徴はどれか。
a.圧痕を認める。
b.顔面に初発する。
c.体重減少を伴う。
d.左右差を認める。
e.頸静脈の虚脱を伴う。
正答の理由
うっ血性心不全(特に右心不全)では静脈圧の上昇と腎でのナトリウム・水の貯留により細胞外液が増え、指で押すとへこみが残る圧痕性浮腫が生じます。浮腫は対称性・就下性・無痛性で、歩行できる人では足部・下腿に、寝ている人では仙骨部や大腿後面に現れ、頸静脈怒張や肝頸静脈逆流を伴います。
各選択肢の検討
a.圧痕を認める。 正しい。心不全の浮腫は細胞外液の増加による圧痕性浮腫です。
b.顔面に初発する。 誤り。重力の影響を受ける就下部(下腿・足背、臥床者では仙骨部)から現れます。眼窩周囲など顔面の浮腫が目立つのはネフローゼ症候群などの低アルブミン血症による浮腫です。
c.体重減少を伴う。 誤り。体液貯留により体重は増加します。体重の推移は浮腫の増減を把握するのに役立ちます。
d.左右差を認める。 誤り。心不全の浮腫は両側対称性です。左右差のある浮腫は深部静脈血栓症、リンパ浮腫、蜂窩織炎など局所の原因を考えます。
e.頸静脈の虚脱を伴う。 誤り。右心系の圧上昇を反映して頸静脈は怒張します。頸静脈の虚脱は循環血液量の減少を示唆する所見です。
覚えるポイント
心不全の浮腫は対称性・就下性・圧痕性で体重増加と頸静脈怒張を伴う。左右差は局所原因、顔面主体はネフローゼを考える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。