国民医療費と医療保障制度|第106回医師国家試験G12

第106回医師国家試験 G12(2012年)

正答:d

問題

我が国の医療費について正しいのはどれか。

a.国民医療費の対GDP比はOECD加盟国の中で上位である。

b.国民医療費には介護保険による費用を含む。

c.公的医療保険の自己負担率は同率である。

d.生活保護では医療扶助の費用が最も多い。

e.医療給付は主として現金給付である。

正答の理由

生活保護の被保護者は国民健康保険の被保険者から除外されるため、ほとんどの医療費を全額医療扶助で負担します。このため生活保護費負担金(事業費ベース)の約半分を医療扶助が占め、扶助の種類別で最も多くなっています(平成30年度は約3.6兆円のうち約半分)。医療扶助は医療機関へ直接支払われる現物給付です。

各選択肢の検討

a.国民医療費の対GDP比はOECD加盟国の中で上位である。 誤り(出題当時の統計による)。出題前に公表されていたOECD Health Data 2010では、日本の総医療費の対GDP比は8.1%(2007年)でOECD加盟31か国中22位、その前年版(Health Data 2009)でも8.1%(2006年)で30か国中21位と、中位以下でした。なお、その後の推計方法の見直しや高齢化で順位は上がり、2012年データ(OECD Health Data 2014)では10.3%で10位とされています。現在の統計で考える際は年次に注意が必要です。

b.国民医療費には介護保険による費用を含む。 誤り。2000年の介護保険制度開始に伴い、介護保険の費用に移行した部分は国民医療費に含まれていません。

c.公的医療保険の自己負担率は同率である。 誤り。医療機関窓口での一部負担(自己負担)割合は年齢や所得で異なり、義務教育就学前は2割、就学後〜69歳は3割、70〜74歳は2割、75歳以上は1割(所得により2割・3割)です。

d.生活保護では医療扶助の費用が最も多い。 正しい。生活保護費の約半分は医療扶助で、扶助の中で最も多い費用です。

e.医療給付は主として現金給付である。 誤り。公的医療保険の医療給付は、患者が窓口で一部負担金を支払い、診療そのものを受け、医療機関が保険者に請求して支払いを受ける現物給付(療養の給付)が中心です。

覚えるポイント

国民医療費は介護保険を含まない。生活保護費の約半分は医療扶助。医療保険の給付は現物給付が原則。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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