圧迫で消退しない赤紫色斑=紫斑|第106回医師国家試験F25

第106回医師国家試験 F25(2012年)

正答:c

問題

45歳の男性。皮疹を主訴に来院した。2週前に両側の下腿の皮膚病変に気付いたが、疼痛や瘙痒感はなかった。1週前から皮膚病変が拡大してきたため受診した。両側の下腿から足背にかけて皮膚病変がみられる。病変は隆起しておらず、圧迫しても赤紫色が消退しない。下腿から足背にかけての写真(別冊No. 3)を別に示す。

この病変を特徴づける皮疹の種類はどれか。

a.丘疹

b.膨疹

c.紫斑

d.苔癬化

e.毛細血管拡張

下腿の皮膚写真。径数mm〜1 cm程度の赤紫色の平坦な斑が散在・一部融合し、透明なガラス板で圧迫した部分でも斑の色が残っている
別冊No. 3 / 出典:厚生労働省・第106回F別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

下腿から足背に、隆起しない赤紫色の斑が多発し、写真ではガラス板で圧迫(硝子圧法)しても色が残っています。紅斑は血管内の血液による発赤なので圧迫で退色しますが、紫斑は血管外に漏れ出た赤血球による色調なので圧迫しても消えません。したがってこの病変は紫斑です。

画像の見方

下腿の皮膚に、径数mmから1 cm程度の円形〜不整形の赤紫色の斑が多数散在し、一部は融合している。透明なガラス板で皮膚を圧迫した部分(硝子圧法)でも斑の色調が残っており、圧迫で退色しない出血斑(紫斑)である。表面の鱗屑や隆起は写真上目立たない。

各選択肢の検討

a.誤り。丘疹は直径おおむね1 cm未満の隆起した皮疹で、触れて盛り上がりが分かります。本例の病変は隆起していません。

b.誤り。膨疹は真皮の限局性浮腫による一過性の隆起で、通常強いかゆみを伴います。本例は隆起もかゆみもありません。

c.正しい。紫斑は皮内・皮下への出血で、平坦な赤紫色の斑として現れ、圧迫しても退色しないことが特徴です。

d.誤り。苔癬化は掻破や摩擦の繰り返しで皮膚が厚くなり皮溝が目立つ状態で、慢性のかゆみを伴う皮膚炎でみられます。

e.誤り。毛細血管拡張は細い血管が持続的に拡張した状態で、皮膚に細い線状・網目状の血管として透けて見える所見です。本例のような類円形の赤紫色の斑が多発・融合し、圧迫しても色が消えない像とは異なります。

覚えるポイント

圧迫(硝子圧法)で消退しない赤紫色の平坦な斑は紫斑。紅斑は圧迫で消退する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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