第106回医師国家試験 F11(2012年)
正答:c
問題
上腕での血圧測定の手技で正しいのはどれか。
a.上腕は肩の高さに保つ。
b.マンシェットの遠位端が肘窩に重なるように巻く。
c.ゴム囊の中央部で上腕動脈を圧迫するように巻く。
d.患者が痛くないように減圧は素早く行う。
e.Korotkoff 音の消失する時点を収縮期血圧とする。
正答の理由
聴診法では、腕を支えてマンシェット(カフ)を心臓の高さに置き、ゴム囊の中央が上腕動脈の真上に来るように、カフの下端を肘窩の2〜3 cm上にして巻きます。予想収縮期血圧より20〜30 mmHg高く加圧したあと毎秒約2 mmHgでゆっくり減圧し、最初にKorotkoff音が聞こえた時点を収縮期血圧、音が消失した時点を拡張期血圧とします。正答はcです。
各選択肢の検討
a.誤り。測定部位は心臓の高さに保ちます。肩の高さでは測定部位が心臓より高くなり、高さの差による静水圧の分だけ血圧が低めに測定されます(心臓より低いと高めになります)。
b.誤り。カフの下端は肘窩より2〜3 cm上に置きます。肘窩に重なると聴診器を当てる場所がなくなり、カフも正しく圧迫できません。
c.正しい(正答)。ゴム囊の中央を上腕動脈の真上に合わせると、動脈を均等に圧迫でき正確な測定になります。
d.誤り。減圧が速すぎると、音が始まった・消えた瞬間の目盛りを正確に読み取れず、測定値の誤差が大きくなります。減圧は毎秒約2 mmHgでゆっくり行います。
e.誤り。Korotkoff音が最初に聞こえる時点(第I相)が収縮期血圧で、音が消失する時点(第V相)が拡張期血圧です。
覚えるポイント
カフは心臓の高さ、ゴム囊中央を上腕動脈上、下端は肘窩の2〜3 cm上、減圧は毎秒約2 mmHg、音の出現=収縮期・消失=拡張期。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- Brazilian Guidelines for In-office and Out-of-office Blood Pressure Measurement – 2023(Europe PMC 全文 PMC11186661)
- Hypertension(MSD Manual Professional Edition)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。