認知症の家族介護者への助言|第106回医師国家試験F4

第106回医師国家試験 F4(2012年)

正答:b

問題

認知症患者を介護する家族への助言として適切なのはどれか。

a.「介護は家族だけで行うべきです」

b.「介護者同士で悩みを打ち明け合うことも大切です」

c.「ご本人が気弱になったらしっかりと励ましてください」

d.「失敗を繰り返さないようにはっきりと指摘しましょう」

e.「近所から悪評が立たないようなるべく隠したほうが良いです」

正答の理由

認知症の介護は長期にわたり、家族の身体的・精神的負担は大きくなります。医療者は介護者のストレスや燃え尽きの兆候に注意し、家族会・認知症カフェなどの支援グループ、地域包括支援センター、介護サービスやレスパイトケアにつなぐことが求められます。介護者同士が悩みを分かち合う場を勧めるbが適切です。

各選択肢の検討

a.不適切。家族だけで抱え込むと介護負担が増し、介護者の燃え尽きや虐待のリスクにもつながります。訪問・通所・短期入所などの介護サービスや専門職の支援を使うよう勧めます。

b.適切(正答)。家族会や認知症カフェなど介護者同士が情報交換し悩みを分かち合える場は、孤立を防ぎ介護負担の軽減に役立ちます。

c.不適切。気弱さや意欲低下は認知症に伴う症状やうつの表れのことがあり、本人の努力不足ではありません。できなくなっていくことへの不安を抱えている本人を強く励ますと負担になりやすいため、「そのままでいい」と気持ちを受け止めて安心できる環境を整え、うつが疑われれば医師に相談します。

d.不適切。記憶障害による失敗は本人の注意で防げるものではなく、はっきり指摘すると自尊心を傷つけ、不安・怒りや行動・心理症状を悪化させやすくなります。叱ったり無理に訓練したりせず、自尊心を傷つけない言葉づかいで、できることをさりげなく支える対応が勧められます。

e.不適切。隠すと必要な支援につながらず、家族も孤立します。周囲に伝えて理解を得ながら地域の見守りや相談窓口を活用し、本人らしい暮らしを続けることが勧められています。

覚えるポイント

認知症の家族支援の要は「抱え込ませない」こと。家族会・認知症カフェ・介護サービスにつなぎ、失敗を責めたり隠したりしない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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