第106回医師国家試験 E67(2012年)
正答:d
問題
我が国における透析導入患者の上位3疾患の年次推移を示す。
疾患Aと疾患Bの組合せで正しいのはどれか。
| 選択肢 | 疾患A | 疾患B |
|---|---|---|
| a | 腎硬化症 | 糖尿病腎症 |
| b | 腎硬化症 | 慢性糸球体腎炎 |
| c | 糖尿病腎症 | 腎硬化症 |
| d | 糖尿病腎症 | 慢性糸球体腎炎 |
| e | 慢性糸球体腎炎 | 腎硬化症 |
| f | 慢性糸球体腎炎 | 糖尿病腎症 |

正答の理由
日本透析医学会の統計調査では、1985年の透析導入患者の原疾患は慢性糸球体腎炎が56.0%、糖尿病性腎症が19.6%でした。その後、慢性糸球体腎炎は一貫して減少し、糖尿病性腎症は増え続けて1998年に慢性糸球体腎炎を逆転し(35.7%対35.0%)、以後首位です。2010年の導入患者では糖尿病性腎症43.7%(要旨では43.6%)、慢性糸球体腎炎21.0%、腎硬化症11.7%でした(表7)。グラフで1985年の約20%から増えて最多となる疾患Aが糖尿病腎症、約56%から減少する疾患Bが慢性糸球体腎炎、低い割合から緩やかに増える疾患Cが腎硬化症です。
画像の見方
図は問題冊子本文(tp_siken_106_ishi_e1.pdf 第38頁)にあります。縦軸は全導入患者に占める割合(%)、横軸は1985〜2010年。疾患A(■)は約20%から上昇し1998年前後で疾患Bと交差、2009年に約44%でピーク、2010年約43%。疾患B(▲)は約56%から一貫して低下し2010年約21%。疾患C(●)は約3%から緩やかに上昇し2010年約11%です。
各選択肢の検討
a.疾患A腎硬化症・疾患B糖尿病腎症。誤り。腎硬化症は2010年でも約12%で、増加して40%を超える線ではありません。糖尿病腎症は減少でなく増加しています。
b.疾患A腎硬化症・疾患B慢性糸球体腎炎。誤り。Bは慢性糸球体腎炎で合っていますが、Aの約44%に達する線は腎硬化症ではなく糖尿病腎症です。腎硬化症は緩やかに増える疾患Cです。
c.疾患A糖尿病腎症・疾患B腎硬化症。誤り。Aは正しいものの、1985年に過半数を占めて減少する線は腎硬化症ではなく慢性糸球体腎炎です。
d.疾患A糖尿病腎症・疾患B慢性糸球体腎炎。正しい。糖尿病腎症は増加して1998年に首位となり、慢性糸球体腎炎は1985年の約56%から2010年の約21%へ減少しました。
e.疾患A慢性糸球体腎炎・疾患B腎硬化症。誤り。慢性糸球体腎炎は減少している疾患でAではありません。腎硬化症は1985年に約56%を占めていた疾患ではありません。
f.疾患A慢性糸球体腎炎・疾患B糖尿病腎症。誤り。増減が逆で、増加しているのが糖尿病腎症、減少しているのが慢性糸球体腎炎です。
覚えるポイント
透析導入の原疾患は1998年以降、糖尿病性腎症が首位。慢性糸球体腎炎は減少、腎硬化症は増加。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。