切迫早産と羊水過多|第106回医師国家試験E47

第106回医師国家試験 E47(2012年)

正答:d

問題

33歳の1回経妊1回経産婦。妊娠27週。腹部緊満感を主訴に来院した。2週前から腹部の緊満を感じていたという。昨日から上腹部の圧迫感を自覚するようになったため受診した。身長156 cm、体重62 kg。脈拍84/分、整。血圧116/58 mmHg。子宮底長35 cm、腹囲92 cm。内診で子宮口は閉鎖している。腟分泌物は少量、淡血性である。経腟超音波検査で、頸管長12 mm、内子宮口付近にfunneling(内子宮口の楔状の開大)を認める。腹部超音波検査で胎児は頭位であり、胎児推定体重1,008 g、羊水指数〈AFI〉28 cmである。胎盤は子宮底部に位置している。胎児心拍数陣痛図(別冊No.6)を別に示す。

現時点の対応として適切なのはどれか。

a.経過観察

b.経腹的羊水除去

c.子宮頸管縫縮術

d.子宮収縮抑制薬の点滴静注

e.帝王切開術

別冊No.6 胎児心拍数陣痛図。胎児心拍数はおよそ130〜150/分で基線細変動が保たれ、子宮収縮が記録されている。
別冊No.6 / 出典:厚生労働省・第106回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

妊娠27週で子宮収縮があり、頸管長12 mmと短く内子宮口のfunnelingを認めるため切迫早産です。胎児心拍数陣痛図に胎児機能不全を示す所見はなく、入院管理下で子宮収縮抑制薬を投与して妊娠継続を図ります。羊水過多もありますが、この時点で羊水除去や帝王切開を選ぶ根拠にはなりません。 現行の早産管理では、感染や母体・胎児状態を評価し、適応があれば出生前ステロイド投与や高次施設への搬送の時間を確保するため短期間の子宮収縮抑制を行います。長期持続投与で早産を確実に防げるという意味ではありません。

画像の見方

胎児心拍数は基線約130〜150/分で基線細変動が保たれ、明らかな遅発一過性徐脈はない。子宮収縮が記録されている。

各選択肢の検討

a.経過観察。誤り。頸管長12 mmと著明な短縮、funneling、緊満感があり、単なる経過観察では不十分です。

b.経腹的羊水除去。誤り。羊水過多はありますが、切迫早産所見に対する第一の対応として羊水除去を行う状況ではありません。

c.子宮頸管縫縮術。誤り。妊娠27週で子宮口は閉鎖しており、すでに腹部緊満感と頸管短縮がある切迫早産への緊急縫縮は適切でありません。

d.子宮収縮抑制薬の点滴静注。正しい。27週、頸管短縮・funnelingと子宮収縮があり、早産を防ぐため入院管理のうえ子宮収縮抑制薬を用います。

e.帝王切開術。誤り。胎児機能不全や分娩進行を示す情報はなく、妊娠継続を図る段階です。

覚えるポイント

切迫早産では妊娠週数、子宮収縮、頸管長・開大、母児状態を評価し、妊娠継続を図る。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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