第106回医師国家試験 E30(2012年)
正答:e
問題
医師の届出義務と関連する法律の組合せで誤っているのはどれか。
a.異状死体の発見――医師法
b.結核患者の診断――感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉
c.診療所の開設――医療法
d.フグ中毒患者の診断――食品衛生法
e.麻薬中毒者の診断――刑法
正答の理由
麻薬中毒者を診断した医師の届出は、麻薬及び向精神薬取締法第58条の2に定められ、すみやかに居住地の都道府県知事へ届け出ます。刑法には医師の届出義務の規定はないため、eが誤りです。ほかの組合せはいずれも正しい根拠法です。
各選択肢の検討
a.異状死体の発見――医師法。正しい。医師法第21条により、死体または妊娠4か月以上の死産児を検案して異状を認めた医師は24時間以内に所轄警察署へ届け出ます。
b.結核患者の診断――感染症法。正しい。結核は二類感染症で、感染症法第12条により診断した医師は直ちに保健所長を経由して都道府県知事へ届け出ます。
c.診療所の開設――医療法。正しい。医療法第8条により、臨床研修等修了医師が診療所を開設したときは開設後10日以内に所在地の都道府県知事へ届け出ます。
d.フグ中毒患者の診断――食品衛生法。正しい。フグ毒(自然毒)による中毒も食中毒で、食品衛生法により診断した医師は直ちに最寄りの保健所長へ届け出ます(出題当時は第58条、2018年改正後の現行は第63条)。
e.麻薬中毒者の診断――刑法。誤り(正答)。根拠法は麻薬及び向精神薬取締法(第58条の2)で、刑法ではありません。
覚えるポイント
届出の根拠法:異状死体=医師法(24時間・警察署)、結核=感染症法(直ちに)、診療所開設=医療法(10日以内)、食中毒=食品衛生法(直ちに・保健所長)、麻薬中毒者=麻薬及び向精神薬取締法(都道府県知事)。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 医師法(e-Gov法令検索)第21条
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(e-Gov法令検索)第6条・第12条
- 医療法(e-Gov法令検索)第8条
- 食品衛生法(e-Gov法令検索)第63条
- 麻薬及び向精神薬取締法(e-Gov法令検索)第58条の2
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。