第106回医師国家試験 E20(2012年)
正答:a
問題
エストロゲンが主に作用する部位はどれか。
a.視床下部
b.下垂体後葉
c.副甲状腺
d.膵島
e.副腎皮質
正答の理由
卵巣から分泌されるエストロゲンは、子宮・腟・乳房などの生殖標的臓器に作用するとともに、視床下部-下垂体前葉系にフィードバックをかけます。通常は視床下部のGnRH分泌と下垂体前葉のゴナドトロピン分泌を抑制し(負のフィードバック)、排卵前の高濃度期には逆に促進してLHサージを起こします(正のフィードバック)。選択肢の中で主な作用部位は視床下部です。
各選択肢の検討
a.視床下部。正しい。GnRH分泌を負・正のフィードバックで調節する、エストロゲンの主要な作用部位です。
b.下垂体後葉。誤り。視床下部で合成されたバソプレシンとオキシトシンを、視床下部ニューロンの軸索終末から放出する部位です。エストロゲンがフィードバックをかけるのはゴナドトロピン(FSH・LH)を分泌する下垂体前葉と、GnRHを分泌する視床下部です。
c.副甲状腺。誤り。副甲状腺ホルモンの分泌は血中カルシウム濃度で調節され、エストロゲンの主な標的ではありません。
d.膵島。誤り。インスリン・グルカゴンの分泌は主に血糖値で調節され、エストロゲンの主な作用部位ではありません。
e.副腎皮質。誤り。下垂体前葉のACTHの刺激でコルチゾールや弱いアンドロゲンを産生する臓器で、エストロゲンのフィードバック先ではありません。
覚えるポイント
エストロゲンは視床下部(GnRH)・下垂体前葉に通常は負、排卵前は正のフィードバックをかける。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional: Female Reproductive Endocrinology
- MSD Manual Professional: Overview of the Endocrine System
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。