第106回医師国家試験 E18(2012年)
正答:c
問題
放射線の職業被ばくや公衆被ばくの線量限度に用いる単位はどれか。
a.キュリー〈Ci〉
b.グレイ〈Gy〉
c.シーベルト〈Sv〉
d.ベクレル〈Bq〉
e.レントゲン〈R〉
正答の理由
線量限度は、吸収線量に放射線の種類と臓器の感受性の重みを掛けた実効線量(および等価線量)で定められ、単位はシーベルト(Sv)です。わが国の電離放射線障害防止規則第4条も、放射線業務従事者の実効線量を「5年間につき100ミリシーベルト、1年間につき50ミリシーベルト」を超えないよう定めています。実効線量は長期的な健康影響(発がん等)の指標として、集団を守る規制上の限度に用いられる量です。
各選択肢の検討
a.キュリー〈Ci〉。誤り。放射能(1秒当たりの壊変数)の旧単位で、1 Ci=3.7×10¹⁰ Bqです。線源の量を表し、人が受けた線量ではありません。
b.グレイ〈Gy〉。誤り。吸収線量の単位(1 Gy=1 J/kg)で、組織に与えられたエネルギー量そのものです。放射線の種類や臓器感受性の違いを含まないため、線量限度にはそのまま使いません。
c.シーベルト〈Sv〉。正しい。実効線量・等価線量の単位で、職業被ばく・公衆被ばくの線量限度はmSvで表されます。
d.ベクレル〈Bq〉。誤り。放射能のSI単位(1 Bq=1秒に1壊変)で、食品や水に含まれる放射性物質の量(Bq/kg、Bq/L)などに用います。
e.レントゲン〈R〉。誤り。X線・γ線が空気を電離させる量(照射線量)の旧単位で、1 R=2.58×10⁻⁴ C/kgです。人体の被ばく線量限度の単位ではありません。
覚えるポイント
放射能はBq(旧Ci)、吸収線量はGy、照射線量はC/kg(旧R)、線量限度に使う実効線量・等価線量はSv。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 電離放射線障害防止規則(e-Gov法令検索)第4条
- US EPA: Radiation Terms and Units
- NIST Guide to the SI, Chapter 5: Units Outside the SI
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。