新生児の生理的黄疸|第106回医師国家試験E1

第106回医師国家試験 E1(2012年)

正答:e

問題

新生児の生理的黄疸について正しいのはどれか。

a.出生直後から存在する。

b.人工乳は黄疸を増悪させる。

c.直接型ビリルビン優位である。

d.生後8日以上存在するのは異常である。

e.グルクロン酸抱合酵素の未熟性が原因である。

正答の理由

生理的黄疸は、新生児の赤血球寿命が短くビリルビン産生が多いことに加え、肝のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の活性が未熟で抱合が追いつかないこと、腸内細菌が少なく腸肝循環が多いことで起こる間接(非抱合)型優位の高ビリルビン血症です。生後2〜3日以降に目立ち、生後24時間以内の出現や2週間を超える遷延は病的黄疸を疑います。

各選択肢の検討

a.出生直後から存在する。誤り。生理的黄疸は生後2〜3日以降に目立ってくるもので、生後24時間以内に出現する黄疸は溶血性疾患などの病的黄疸として扱います。

b.人工乳は黄疸を増悪させる。誤り。黄疸を強めやすいのは母乳栄養(哺乳量不足による母乳性黄疸や、母乳中のβ-グルクロニダーゼによる母乳黄疸)です。人工乳でも母乳でも頻回の哺乳は排便を促して腸肝循環を減らし、黄疸を軽くします。

c.直接型ビリルビン優位である。誤り。生理的黄疸は抱合前の間接(非抱合)型ビリルビンが優位です。直接型優位の黄疸は胆道閉鎖症や新生児肝炎などを考える病的所見です。

d.生後8日以上存在するのは異常である。誤り。ビリルビン値は生後3〜4日(東アジア人では約7日)にピークとなってから下がるため、生後8日に黄疸が残っていても直ちに異常ではありません。病的とするのは2週間を超えて遷延する場合です。

e.グルクロン酸抱合酵素の未熟性が原因である。正しい。肝のUDP-グルクロン酸転移酵素の活性不足でビリルビンの抱合・排泄が遅れることが、赤血球寿命の短さと並ぶ主因です。

覚えるポイント

生理的黄疸=間接型優位、生後2〜3日以降に出現、UGT未熟が原因。24時間以内の出現・2週間超の遷延・直接型優位は病的。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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