甲状腺乳頭癌の特徴|第106回医師国家試験D16

第106回医師国家試験 D16(2012年)

正答:a・e

問題

甲状腺乳頭癌について正しいのはどれか。2つ選べ。

a.女性に多い。

b.高齢者に多い。

c.甲状腺濾胞癌よりも予後不良である。

d.血中サイログロブリンが低値となる。

e.甲状腺超音波検査で砂粒状石灰化がみられる。

正答の理由

甲状腺乳頭癌は甲状腺癌の大部分(80〜90%)を占め、女性に多く(女性:男性=3:1)、30〜60歳での発見が多い分化癌です。リンパ行性に頸部リンパ節へ転移しやすい一方、予後は良好です。超音波では微細な点状(砂粒状)石灰化を伴うことが多く、病理の砂粒体に対応する所見として診断の手がかりになります。

各選択肢の検討

a.女性に多い。正しい。女性:男性はおよそ3:1です。

b.高齢者に多い。誤り。30〜60歳での発症・発見が多く、濾胞癌のほうが高齢者に多い型です(高齢者の乳頭癌は悪性度が高い傾向があります)。

c.甲状腺濾胞癌よりも予後不良である。誤り。濾胞癌は血行性に遠隔転移しやすく乳頭癌より悪性度が高いとされ、乳頭癌は最も予後良好な甲状腺癌です。

d.血中サイログロブリンが低値となる。誤り。分化癌はサイログロブリン産生能を保っており、血中サイログロブリンはむしろ高値になり得ます(全摘後の再発マーカーとしても用います)。

e.甲状腺超音波検査で砂粒状石灰化がみられる。正しい。乳頭癌では点状の微細石灰化(砂粒状石灰化)が高頻度にみられ、悪性を示唆する所見です。

覚えるポイント

甲状腺乳頭癌=最多・女性に多い・30〜60歳・リンパ節転移しやすいが予後良好・超音波で微細(砂粒状)石灰化。濾胞癌は血行性転移。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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