細菌性髄膜炎の髄液と治療|第106回医師国家試験D3

第106回医師国家試験 D3(2012年)

正答:a

問題

腰椎穿刺で得られた検体の写真(別冊No. 2)を別に示す。

この疾患の治療に使用すべきなのはどれか。

a.抗菌薬

b.解熱鎮痛薬

c.免疫抑制薬

d.脳圧降下薬

e.抗悪性腫瘍薬

注射器(目盛1〜5)に吸引された黄色で混濁した液体。正常髄液のような無色透明ではない。
別冊No. 2 / 出典:厚生労働省・第106回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

腰椎穿刺で膿様に混濁した髄液が得られており、好中球主体の細胞増多を伴う細菌性髄膜炎が考えられます。細菌性髄膜炎は救急疾患で、血液培養採取後できるだけ早く(来院30分以内を目標に)経験的抗菌薬を開始し、副腎皮質ステロイドを併用します。したがって使用すべきなのは抗菌薬です。

画像の見方

注射器内の髄液は黄白色に強く混濁した膿性外観で、無色透明(水様)の正常髄液とは明らかに異なります。好中球が著増した化膿性(細菌性)髄膜炎の髄液と判断されます。

各選択肢の検討

a.抗菌薬。正しい。混濁(膿性)髄液は細菌性髄膜炎を示し、抗菌薬の早期投与が治療の根幹です。

b.解熱鎮痛薬。誤り。発熱や頭痛の対症療法にはなり得ますが、原因菌を治療しない薬であり、この疾患に「使用すべき」治療ではありません。

c.免疫抑制薬。誤り。自己免疫性脳炎などで用いる薬で、細菌感染症では感染を悪化させます(細菌性髄膜炎で併用するデキサメタゾンは炎症抑制目的の補助療法で、免疫抑制薬単独で治療するものではありません)。

d.脳圧降下薬。誤り。頭蓋内圧亢進が強い場合の補助療法にとどまり、原因治療ではありません。

e.抗悪性腫瘍薬。誤り。癌性髄膜炎などに用いる薬で、膿性髄液を呈する細菌性髄膜炎の治療ではありません。

覚えるポイント

膿性混濁髄液=細菌性髄膜炎→血液培養後ただちに抗菌薬(+ステロイド)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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