第106回医師国家試験 C5(2012年)
正答:e
問題
外傷後ストレス障害〈PTSD〉の特徴でないのはどれか。
a.侵入的な回想
b.持続的な過覚醒
c.周囲への無反応
d.外傷体験を回想させる状況の回避
e.強いストレスを経験した直後の発症
正答の理由
PTSDは外傷的出来事のあとに、侵入症状(フラッシュバック・悪夢)、回避、認知と気分の陰性変化(関心の喪失・孤立感)、過覚醒が続く疾患です。診断できるのは外傷から1か月以上経ってからです。外傷後1か月以内に起こる同様の反応は急性ストレス障害として区別されます。PTSDは数か月〜数年遅れて発症することもあるため、「直後の発症」はPTSDの特徴とはいえません。
各選択肢の検討
a.侵入的な回想。誤り(特徴である)。出来事の記憶や悪夢が意図せず繰り返しよみがえる侵入症状で、音や匂いなどをきっかけにフラッシュバックが起こります。
b.持続的な過覚醒。誤り(特徴である)。過度の警戒、易刺激性、驚愕反応、睡眠障害などの過覚醒症状が続きます。
c.周囲への無反応。誤り(特徴である)。周囲への関心の喪失や疎隔感、感情の麻痺がみられ、人によっては「無感覚でよそよそしい」状態になります。
d.外傷体験を回想させる状況の回避。誤り(特徴である)。出来事を思い出させる場所・活動・会話を避ける回避症状は中核症状の一つです。
e.強いストレスを経験した直後の発症。正しい(特徴でない)。外傷後1か月以内の反応は急性ストレス障害とされます。PTSDは1か月以上経ってから診断され、数か月〜数年後に遅れて発症することもあります。
覚えるポイント
PTSDの4症状群は侵入・回避・認知と気分の陰性変化・過覚醒。1か月以内なら急性ストレス障害。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。