呼吸困難をきたす喉頭疾患|第106回医師国家試験C1

第106回医師国家試験 C1(2012年)

正答:b

問題

呼吸困難をきたしにくいのはどれか。

a.声門癌

b.喉頭肉芽腫

c.急性喉頭蓋炎

d.急性声門下喉頭炎

e.両側反回神経麻痺

正答の理由

喉頭は気道の最も狭い部分を含むため、腫瘍・急性炎症による腫脹・両側声帯の麻痺で内腔が狭まると吸気性喘鳴や呼吸困難を起こします。喉頭肉芽腫は挿管の外傷や胃酸逆流、慢性咳嗽などで披裂軟骨声帯突起部に生じる小さな病変で、症状は嗄声・咽喉頭異常感・発声時の不快感が主体であり、通常は気道を塞ぎません。

各選択肢の検討

a.声門癌。誤り(呼吸困難をきたしうる)。早期から嗄声で気づかれやすい癌ですが、声門は気道の狭い部位なので、腫瘍が増大して声帯の固定や内腔の狭窄が進んだ進行例では、吸気性喘鳴と呼吸困難を起こし、気管切開が必要になることがあります。

b.喉頭肉芽腫。正しい(きたしにくい)。声帯後方の声帯突起部に生じる限局性の病変で、主症状は嗄声や咽喉頭異常感です。気道を閉塞するほど大きくなることはまれです。

c.急性喉頭蓋炎。誤り(きたす)。喉頭蓋と周囲の声門上組織が急速に腫脹し、吸気性喘鳴から突然の気道閉塞・窒息に至り得る救急疾患です。

d.急性声門下喉頭炎。誤り(きたす)。いわゆるクループで、気道の狭い声門下に浮腫と滲出物による閉塞が生じ、犬吠様咳嗽と吸気性喘鳴・呼吸困難を起こします。

e.両側反回神経麻痺。誤り(きたす)。両側の声帯が正中近くに固定するため声は比較的保たれる一方、声門が開かず吸気性喘鳴・呼吸困難を起こし、気管切開が必要になることがあります。

覚えるポイント

両側反回神経麻痺は「声は保たれるが息が苦しい」、片側麻痺は嗄声が主体。喉頭肉芽腫は嗄声が主で気道狭窄はまれ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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